おすすめエッジング系クライミングシューズ 新ブースティック
こんにちは、アウトドアーズ・コンパスのスタッフ多田です。
花崗岩フェイス用のエッジング系クライミングシューズといえば何を思い浮かべるだろうか。
一昔前までは、
スポルティバ「ミウラ」
スカルパ「ブースティック」
この2択だったのではないだろうか。
確かに往年の2トップであることは間違いない。
正直、2年前に小川山を訪れた際くじら岩の前に居合わせたクライマーでこの2モデルを履いている人はおらず、
やたらスカルパの「インスティンクトVSR」ユーザーが多かったのを覚えている。
当店のクライミングシューズカテゴリーでダントツトップの売り上げを誇るのも納得。
時代は変わったものだ。
今回ご紹介するのは、VSRではなく、
「新ブースティック」
実は、「ブースティック」が、昨年完全にリニューアルした。
ご存知だっただろうか。
大きな違いは、全体的な履きやすさ。
基本的な構造は変わってはいないが、アッパー素材が厚めのレザーから、やや薄めのアルカンターラというシンセティックレザーに変わり、
またヒール付近はかなり柔軟、特にスリングショットが柔らかくなり、圧倒的にソフトな足入れになった。親指付け根あたりが少し広がり、ターンインもややマイルドになり、
前作のかなり細身のラストとは全然違う、
足幅なら日本一と自負する私は、よりその履きやすさを実感している。
まだ人工壁でしか使ってはいないが、10mm程の極小カチホールドのみで構成されたルートを登った際、
新品の状態でも、圧倒的なエッジング、掻き込み力に驚いたと同時に面を踏むこともでき、登っていて非常に安心感があった。
前作のブースティックは、どちらかというと前足部のシャンクをガチガチに固め、極小ホールドへ前体重を乗せていく立ち込み重視型であったのに対し、
今回のモデルは、前足部のシャンクをややしなやかにし、またヒール付近を柔軟にすることで、一体型ソールであるにもかかわらず、
スタンスに対する自由度、足裏感覚が上がり、立ち込みプラス掻き込み力が強化され、より様々な足使いができる仕様になっている。
時代と共に、スタンスの踏み方も変わってきているのであろう、その時代に即したモデルチェンジと言えるのではなかろうか。
もちろん、トーフックを多用するような、いわゆる現代的なインドアボルダリングに向いているかと言われれば、Noと言わざるを得ないが、
ある程度スメアリングにも対応しているので、インドアでもシビアなエッジングが多いようなボルダリングやリードでは、かなり良い結果が得られると思う。
もちろん、小川山や瑞牆のフェイスやスラブでは抜群の威力を発揮するのは間違いない。
ようするに、この「ブースティック」は、エッジング、スメアリングはもちろん、スメアリングとエッジングの中間的な足遣いである、
いわゆる「スメッジング」を、かなり高いレベルで実現できる。
「エッジングを強化したVSR」といったところであろうか。
最新の情報は得られてはいないので、今年の夏休みは、偵察がてら小川山瑞牆にお邪魔する予定。
先日お邪魔したロストアローの2023年春夏展示会で、正月の大堂で偶然お会いした若手の新星、スカルパ担当の大木氏曰く、
瑞牆のフェイス系が多いルートは「ブースティック」、ハングしたクラック系では「ドラゴ」が良いという情報は実に興味深い。
クラック系では、ブラックダイヤモンドのアスペクト1択でしか考えていなかったので、目からウロコである。
宮崎の比叡や小川山瑞牆、近場では小豆島などのスラブ系ルートや、近場のボルダーだと岡山の王子ケ岳、香川の遠見山、北山公園など、
シビアなスタンスの多い垂壁やスラブ系ボルダーで成果を出したいクライマーには、ぜひ一度試していただきたと心から願う。
メンズサイズのみにサイズは絞ってはいますが、是非試し履きに来て下さい。押し売りはしないですが、損はさせません。
要望していただけたら、ウィメンズサイズも取り寄せますよ。
それでは、ご来店、おまちしております。