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マリア論オンライン講座

教皇フランシスコ 第33回国際青年大会(Mladifest)参加者たちへのメッセージ (メジュゴリエ、2022年8月1日~6日)

2022.08.03 08:59

***

(『オッセルバトーレ・ロマーノ紙』2022年8月2日)


「人類の傷に対する真の治療法は、

神の愛に根ざした兄弟愛に基づく生き方です」


このように、教皇フランシスコは、

メジュゴリエ8月1日から6日まで開催されている

国際青年大会(Mladifest)参加者に向けたメッセージの中で言われた。


教皇は、新しい世代の人々に、

人生を前にして恐れて凍り付き、止まったままでいるのではなく、動き出すように、

イエスこそ「真の安らぎ(回復)と真の平和を差し出す唯一の主」であるという確信をもって、イエスに自らを委ねるようにと招いている。

(以下、メッセージ試訳)


***

愛する皆さん、

福音記者マタイは、イエスが全ての人に向かって

「労苦し、重荷を負っている者はみな、

わたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。

わたしの心は柔和で、謙遜であるから、

わたしの軛を受け入れ、わたしに学びなさい。

そうすれば、あなた方は魂の安らぎを見出す。

わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである」(マタイ11・28-30)

と言われたことを語っています。


愛する若者たち、

その時と同じように、今日も、イエスはあなた方すべてに向かって、

今聞いた福音の箇所にインスピレーションを受けた、この集いを導く言葉をもって、

あなた方に呼びかけておられます。

「わたしに学びなさい。そうすれば平和を見出すでしょう」。


***

主はこの言葉を、使徒たちや、ご自分の一部の友人たちだけに留まらず、

疲れ、抑圧されているすべての人々に向けています。


主はご存知です。

人生がいかに困難であるか、私たちの心を疲れさせるたくさんのことがあることを。

たくさんの失望、過去のさまざまな傷、私たちが背負っている重荷、

私たちが耐えている不正、多くの不確かさ、心配など。


このことすべてを前にして、イエスは私たちに言われます。

「わたしのもとに来て、わたしに学びなさい」。


それは、人生を前にして恐れて凍り付き、止まったままでいるのではなく、

動き出すように、

イエスに自らを委ねるようにという招きです。


簡単なように聞こえます。

けれど、暗い(不安な)とき、自分の中に閉じこもるのは自然です。

イエスはそれに反して、私たちを外に引っ張り出したいのです。

ですから「来なさい」と言われるのです。


***

出口は、関係の中にあります。

私たちを真に愛しておられる方に、まなざしを向けることにあります。


そして、自分自身から出て行くだけでは十分ではありません。

どこに行くかを知らなければなりません。

より良い未来を約束しながら、私たちを以前の孤独の中に取り残すような、

欺きに満ちたゴールがたくさんあるからです。


そのため、イエスはどこに行くのかを示されます。

わたしのところに来なさい」と。


***

愛する友よ、

開かれた心で主のところに行き

主の軛を受け入れ、主に学んでください。


「先生」のもとに行き、先生の弟子となり、

先生の約束である平和を受け継ぐ者となってください。


主の軛を受け入れてください。

それは、あなた方に、神のみ心を見出させ、

主の十字架と復活の神秘にあずかる者とするでしょう。


キリストが言われる「軛」は、愛の法です。

キリストがご自分の弟子たちに遺した掟です。

「わたしがあなた方を愛したように、

あなた方も互いに愛しなさい」(ヨハネ15・12)。


なぜなら、人類の傷に対する真の治療法は、

神の愛に根ざした兄弟愛に基づく生き方だからです。


***

キリストと共に歩み、キリストに倣いながら、

キリストから学んでください。


キリストは、自分が背負わない重荷を他の人に押し付けるような先生ではありません。

キリストは、謙遜な人、小さい人、貧しい人にまなざしを向けます。

なぜなら、キリストご自身、貧しく謙遜になられたからです。


そして、学ぶためには、

何よりも先ず、謙遜になり、

自分一人で、自分の力だけで何でも出来ると思い込む

自分の無知と傲慢を認める必要があります。


先生のみ言葉に開かれた耳を持つ必要があります。

このようにして、先生の心、愛、考え方、見方、行い方を学ぶのです。

キリストの近くにいて、キリストに倣う勇気が必要です。


***

愛する皆さん、

恐れずに、あなた方が心の中に運んでいるものすべてを持って、

キリストのところに行ってください。


キリストは、真の安らぎ(回復)と真の平和を与えてくださる、唯一の主です。

キリストの母であり私たちの母であるマリアの模範に従ってください。

マリアはあなた方をキリストのもとに連れて行ってくださいます。


荒れた海の上の希望、

私たちを平和の港に導いてくださる「海の星」であるマリアに、

自らを委ねてください。


御子を知っているマリアは、

父である神との関係において、隣人へのいつくしみにおいて、

私たちが、神の子となるよう呼ばれているという自覚において、

あなた方が御子に倣うのを助けてくださるでしょう。


この時、夏のただ中で、

主はあなた方を招いておられます。

最も特別な場所、あなた方の心の中で、

主とともに休暇を過ごすようにと。


***

愛する若者の皆さん、

この数日間、あなた方がイエス・キリストのうちに休んでいる間、

私はあなた方を、私たちの天の母、祝されたおとめマリアに委ねます。

マリアの執り成しによって、

また、マリアの模範とともに、

負いやすく、軽い、キリストに従う軛を受け取ってください。


あなた方一人ひとりを愛しておられる、父である神のまなざしが、

この数日間、あなた方に寄り添い、

そのようにして、他の人々との関係において、

あなた方が、賜物として受け取る平和の証人となることが出来ますように。


このために、私は祈り、あなた方を祝福します。

そして、あなた方も、私のために祈ってくれるようお願いします。


ローマ、聖ラテラノ大聖堂、2022年7月16日

カルメル山の聖母の記念日に

フランシスコ