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「シャーロットとしろいうま」ルース・クラウス モーリス・センダック

2018.02.05 09:06

わたしも大好きなルース・クラウスとモーリス・センダックのタッグ、この二人が作った小さな絵本「シャーロットとしろいうま」

センダックには数多くの人気の作品がありますけれど、この絵本が一番好きだという人もなかなかに多いのではないでしょうか。

ある女の子のところへ、生まれたばかりの白い馬がやってきます。馬の名前は「あまのがわ(Milky way)」ミルクのように真っ白なこの馬を、女の子はとても可愛がるのです。

筋という筋もないようなお話で、詩のような短い言葉で、少女とこの白い馬、周りの人々、季節の移り変わりが描かれます。

センダックの絵本でしばしば見られるように、それはまるで夢の中のようで、幾つもの現実的な感触を支える部分がするりと抜け落ちた不思議な世界の中、お話は進んでいくのです。

恐ろしいことは何も起きない、うつくしい世界。

あまりにも純化された世界なので、読むひとは逆にその決して描かれることのない「何か恐ろしいこと」が起きてしまった世界のように感じるかも知れません。描かれないがゆえに、その描かれなかった空白部分の輪郭がはっきりと見えるように。

クラウスとセンダックの生み出したこの美しい絵本は、だからこそ、ただの「美しい」絵本ではないのです。

少女と白い馬の、澄み切った心の交流だけが描かれながらも、そこにはぼんやりと、月明かりに照らされ出来た薄い影のように、この物語のもつ哀しみが始めから終わりにまで漂っているのです。

表裏一体である喜びと哀しみが、この絵本の光と影になり、まるで幻灯機に映し出された映像のように読むものの心の奥に入ってくるようです。

優しく放るように、使われる短い言葉も、何かこちらをハッとさせます…。

「やがて、ふゆはいってしまい、」

(中略)

「はなは、いっせいに、さきそろいました。」

この絵本の1ページ1ページをいつも胸の中にしまって、いつでも取り出せるようにしておきたい、そんな風に思える絵本です。

また、上げた写真のように当店のブックフレーム(Sサイズ)にもぴったりの絵本です。オンラインストアの方でも是非ご覧ください。

センダックの絵本はこちらです。

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