【スペイン留学】バルセロナの伝統文化
¡Hola! こんにちは!バルセロナに留学中のあんずです。
今回は、バルセロナ特有のお祭りや伝統についてご紹介したいと思います。
独立心の強いカタルーニャ
まず、スペインは17の自治州で構成されています。なかでもバルセロナの所属するカタルーニャは、独特の言語や文化を持っています。
スペインの公用語やラテンアメリカなどで広く使われている所謂”スペイン語”はカスティーリャ語と呼んで区別され、現地の人の間ではカタルーニャ語が広く使われています。(ちなみに、他にもバスク語やガリシア語などスペイン国内にはいくつかの言語が存在します。)
私は渡航前にスペイン語を少し勉強していましたが、カタルーニャ語があまりにも違うのでびっくりしました。方言という程度ではなく、言語として大きく違うらしく、あるフランス人はカタルーニャ語はフランス語に近く、スペイン語より理解できると言っていたほどです。(フランス語と語源は違うそうですが、カタルーニャ語でもありがとうはメルシーと言います。)また、スペインに多いラテンアメリカからの留学生やスペインの違う地域出身の人も、理解できないことが多いそうです。
歴史の中ではカタルーニャ語の使用が禁止されたり様々な抑圧があったせいか、現在でもカタルーニャ語は大切にされています。例えば私の通う大学を含め、学校ではスペイン語とカタルーニャ語が公用語として使われています。また、バスや電車ではカタルーニャ語、スペイン語、たまに英語というように両方の言葉を使って表示やアナウンスがされます。
このように、言語的にも帰属意識が高いカタルーニャの人々。スペインからの独立運動が盛んなことでも有名で、街中ではベランダにカタルーニャ独立運動の象徴とされる旗を掲げている様子もよく目にします。
そんなカタルーニャ州には、州独自に定められた祝祭日や伝統的なイベントがあります。
【メルセ祭り】
カタルーニャの守護聖人とされる聖女メルセを称えるお祭りで、毎年9月24日は聖女メルセの日として祝日となり、前後5日にわたって様々なイベントが行われます。
有名なものは昨年一通り見ることができました。
【人間の塔 (Castelles)】
地域ごとに大人から子供までがチームを作り、高さを競います。人が7段くらい積み重なり、土台は屈強な大人が数人、一番上は小さな子供がヘルメットをつけて登ります。見守っている観客にも物凄い緊張感がありましたが、成功すると大きな歓声が沸き起こってかなり感動します!
メルセ祭りに限らず、カタルーニャのお祭りではよく目にするイベントです。
【巨大人形のパレード (Gigans)】
伝統衣装を着た巨大人形が町中に出没します。こんなに大きいのに、一人で操っているというからかなり大変そう!パレードは見ることができませんでしたが、展示されているところを見ることができました。ちなみに、祭り期間以外は各地域のホール、教会、市民センターなど至る所で保管・展示されています。
【コレフォック (Correfoc)】
花火大会と呼ばれることも多いですが、想像するものとは大違い。言ってしまえば火花と爆竹を鳴らしまくる夜のパレードです。笑
悪魔の格好をした人やドラゴンの人形が爆竹を鳴らしたり花火を振り回します。
最前列で見る場合は長袖長ズボンにゴーグル着用をお勧めされるほどの激しさ!遠目で見るだけでも迫力がありました。
【サン・ジョルディの日】
毎年4月23日の、カタルーニャ地方のバレンタインデーのような存在。この日に恋人たちはプレゼントを贈り合い、男性は女性に一輪のバラを、女性は男性に本を贈ります。最近では男女関係なく本とバラを贈り合うことも多いそうです。
カタルーニャの守護聖人とされるサン・ジョルディがドラゴンの生贄となった王女を助け、ドラゴンの体に刺した剣から赤いバラが咲き、そのバラを王女に送ったという伝説に由来するそうです。(諸説あり)
また、この日はドンキホーテの著者・ミゲル・セルバンテスの命日であり、シェークスピアの誕生日であり命日とされている日だそうで、もともと文学に縁の深い日とされて、本を送る風習があったのだとか。そしてこの2つが混ざり、現在のような習慣が根付いたようです。
当日はガウディ設計のカサバトリョが薔薇で飾られるほか、街中に薔薇や本を売る露店が並び、様々なイベントも行われます。今ではバレンタインデーと同じように、恋人同士に限らず、友人や家族と本やバラを贈り合うそうで、老若男女問わず、道ゆく人々が薔薇を持っているのがとてもロマンチックでした!
どれもカタルーニャの歴史に深く根ざした伝統的なものです。もしこの期間にバルセロナに来ることがあれば、ぜひ行事も楽しんでみてください!
それではまたお会いしましょう!
¡Adiós!