穴
身体には沢山の穴があります。
鍼灸師が全部の穴を覚えて使っているかというとそうではありません。
使う穴って術者によってかなり限定されてきたります。
様々な症状に対して使う穴が限定されているのなら何故沢山の穴があるのか?
そういうところにも目をむけていく必要があります。
意識には段階があります。
普通の状態は肉体レベルの話しで何とかなります。それはエビデンスという形でもあらわすことがある程度可能かもわかりません。
もちろんかなり限定的で条件付です。
しかし、人によっては肉体レベルではどうすることもできないものが存在します。
これは事実です。
そしてそういうことで苦しんでいる人が沢山います。
単なる肩凝りでもどうしようもない時があります。そこであきらめるかあきらめないかが大事です。
あきらめるというのは同じやり方を繰り返すということです。
それを何とかする為には、あらゆる手を使うことが大事です。
私達は何かに触れると感じます。
もし目が見えなくても何かに触れれば何かを感じます。
しかし、全く触れることもできず目にも見えないものに対しては無力です。
目に見えないものが世の中には沢山ありますよね。
電気も現象だけはあるけど目に見えません。
現象がハッキリしているから電気があると感じてその存在を認めているだけです。
だからあるとわかっている。
現象を起こせなかったら電気の存在はわからないですよね。
1000年前、それがわかったでしょうか?
穴を刺激すると現象が起こります。
だから現象が一番大事なのです。
現象があるということは何らかの作用があるということです。
それに名前がついていないものが沢山あります。
そしてその現象を捉えるには我々の意識を変革させなければなりません。
つまり私達自身が変わらなければならないということです。
面白い概念があります。
それは仏教の十界という概念です。
仏 菩薩 縁覚 声門 天 人 修羅 畜生 餓鬼 地獄
という言葉ですが、それぞれに意味を持たせています。
でもその意味は例えであって、一般的に良い行いをしたから仏かというとそうではありません。
意外にも地獄の反応だったりします。
こんなことを書くと鍼灸と全く関係ないじゃないかと思われるかもわかりません。
神秘思想と言われるかもわかりませんが、そういう意味じゃありません。
意識の段階の話しです。
肉体から精神、精神から神仏の世界
精神は名前がついていますので何となく理解できます。
神仏は名前はついていても見ることも触れることもできませんからかなり曖昧です。
では地球から太陽系、太陽系から銀河、銀河から宇宙そのものという言い方をするとどうでしょう?
これは同じ概念だと私は考えています。
宇宙の中に私達はいます。
宇宙からの影響を受けていないと考える方が不自然です。
宇宙からの影響はかなり大きな影響を受けているはずです。
きっと宇宙がクシャミすれば人間だけでなく地球そのものはなくなるぐらいの影響があるはずです。
でも目の前に見えるものしか信じない人にとっては、それはどうでも良いことです。
そういう目でしか物をみない人のことを地獄、畜生、餓鬼の世界と言ったということです。
意識は宇宙を飛び越えてもっと他の宇宙ともつながるかもわかりません。
いえ、つながっています。
そういう中で生きているということをもっともっと感じようとすることが、それを認識する第一歩です。
感じようとするためにはそこに意識をもっていかなければ感じ取れません。
絵空事ではなく、それを利用しようと考えたのが穴だと思っています。
身体中にある穴を全て使い切る。
そういう気持ちで行う治療とそうでない治療は全く違います。
私達は宇宙の中の塵にも満たない存在です。
そのことを意識して治療することはとても大事なことだと思っています。
あきらかなはずなのになぜそう考えないのか?
そこを考える必要があります。