不細工なたなじまい
2022.08.06 00:29
引退を決めた。
しかしどうも終わりが不細工だったな
そこが我ながら情けないが
しかしそこでおめおめながらえたら
らしくなく。
さっぱり老兵は引き上げる。
切り替えられたのはチビのトカゲの骸
蜘蛛の巣に絡んでダンボールの隅に乾涸びていた
いきながらひからびる
ああ 真平ごめんだ
「どうあれ継続して余生を豊かにすればいい」と口ぐちに言われたが
トカゲのように過ごして手に入れた
それを謳歌する頃には彼方からお迎えが来るかもしれないじゃない?
終わりまで曲げられないものもある
不細工やったならさっさとたなじまいするさ
人様はこの選択を阿呆という
はいはいもともと阿呆
しかし何という阿呆な性分
たぬきになれない
いたってシンプルなんだ。
この節目にあって
この後は違う自分を生きたくない
人は組織というコミュニティのあり方に倣って
合理的にそのカプセルの一粒のお役目に
中身の個性は懸命に役を果たし、不具合なら入れ替えられる。それはカプセルに不具合が起きないそのためだけだ。そのカプセルはもちろん全ての一粒一粒の利益が影響するのだから当たり前
しかしどの粒にあっても不具合だけど組織が活性化の頃にはエンジンであって
飽和したら無駄な活性だったりする
不要になったら解放が肝要
それがどちらにも一番いい
窮屈に捻じ曲げていた身体を伸ばしてみる
長いこと思えばきゅうきゅうにしてきたものだ
そんな不細工たなじまいに
ちょいと飯でも
と
そんな阿呆に何も言わずにカウンターで一杯
沁みたね
この一杯がありがたいねえ
果報者だね