旅のチカラ、旅のカケラ

野生の王国

2008.11.23 13:45


3泊4日のサファリツアー、

2日目は「マサイ・マラ国立公園」に場所を移す。



マサイ・マラは、ケニアの南部、

タンザニアのセレンゲティ国立公園と隣接し、

数十万頭と言われるヌーやシマウマの大移動で有名である。

広さは大阪府とほぼ同じで、

世界一の動物相・個体数を誇ると言われ、

動物に接近しやすいため観察がしやすい。


あぁ、サバンナかぁ―


どこまでも広がる青空、漂う草の匂い、

大地を赤く染める夕日・・・

またしてもテレビの世界へと足を踏み入れる。



それにしてもこのツアーは快適だ。

1日あたり90ドルと決して安くはないが、

いい宿、美味しい食事、そして親切なガイド…

文句なしの満足度である。

ベッドが良かったためか、昨日はしゃぎ過ぎたせいか、

とにかくよく眠れた。

いつもは必ず1度は目が覚めるのに、

朝まで熟睡だった。



サファリカーは助手席が指定席。

ガイドの運ちゃんいわく、

「他の3人はすぐに寝るから、お前は隣にいろ」と。

まぁ、退屈しのぎというわけだ(笑


ケニアんジョークに苦笑いしながらも

あったかい時間が過ぎた。

途中で「ニョマ・チョマ」と呼ばれる

ケニアの焼肉を買い、

それをつまみながら会話はつづく。

手づかみで食べるため、

ハンドルは油でテカテカに光っていた。



ビュッフェのランチを食べ、

少しだけ転寝してると

マサイ・マラ国立公園に到着した。

時計の針は午後4時を差していた。


「さぁ、サファリを始めよう!」



長距離ドライブの疲れも見せずドライバーの

スティーブンは元気だった。

「ライオンとゾウ、それからキリンが見たい」

そう告げ、2回目のゲームサファリ開始。

サバンナに広がる青空が美しかった―。



昨日とは違い、鳥や小動物ばかり現れた。

こんなにも広い場所で、あまりにも小さすぎて

物足りなかった…。


「キリンは?ゾウは?」

まぁ、待てと、のんきなスティーブン。

ケニア人は目がいいと言うが、

彼もまた驚くべき視力をしていた。


「あそこにゾウがいる!」


どこ、どこ??

日本人にはとうてい見つけられない。

想像よりもずっと、ずっと向こうに車を走らせた。


ぞ、ゾウだ☆

半径50m以内に近づいてようやく確認できた。



子連れのゾウファミリーは、

のし、のし、とサバンナを我が物顔で歩いていた。

車をゾウに近づけると、

親ゾウがじっとこっちを見ていた。

子ゾウたちは足元に隠れながら

小さな鼻で一所懸命草を食べている。

これまで幾度となく、

こんな光景に出くわしているのだろう。

逃げることもなく、威嚇するでもなく

ただじっとそこにいた。



いつしか草原はオレンジに染まり、

風が冷たくなってきた。

「そろそろ帰ろうか?」

スティーブンの問いかけに頷いた。


宿は丈夫な屋根付きのテントで、

中にはベッドとシャワーが備え付けられていた。



アフリカの夜は寒い。

風を通さないように、分厚いカバーがしてあり、

3時間だけだが、電気も通っていた。

夕食もビュッフェで、

山盛りのパスタを3皿も食べてしまった(笑


午後10時に、バチンと電気が落ち、

真っ暗な闇に支配された。

遠くに得体の知れない動物の泣き声が轟き、

バサバサと風でテントも鳴いていた。


目を閉じると、あっと言う間に

深い、深い夢へと落ちていった。