旅のチカラ、旅のカケラ

サバンナの戦士

2008.11.24 14:00


今日はもうひとつのメインディッシュが待っていた。

サバンナの戦士“マサイ族”とのコンタクトである。



マサイは、ケニアとタンザニア北部に住んでいる原住民で、

伝統的な生活を守って暮らしている民族。

世界一有名な民族として知られ、

人口は推定20~30万人程度と推測されている。


キリマンジャロ山の頂上に座する

エン=カイという神を信奉する一神教で、

非常に勇敢でプライドが高く、

草原の貴族とも呼ばれている。

スティーブン(ガイド)にお願いし、

マサイの村に連れて行ってもらった。



もともと観光客を受け入れている村なので、

入口でひとり700シリング(約1000円)を

謝礼として族長らしき人物に渡し、

村の中に案内された。



まずはお約束、

高く飛び跳ねるマサイのダンスを踊って

僕らを歓迎してくれた。


「お前も一緒に跳ばないか?」


族長に促され、

彼らに負けないくらい高くジャンプした。

バレーボールをしているため

垂直跳びには自信がある!


「いいジャンプだ!!」

と、彼らに褒められ気分がよかった。



そういえば、最近のマサイ族は

自ら作ったサンダルを履くようになった。

このサンダルの底には車の古タイヤを利用していた。

試しに履かせてもらうと、思ったよりも

履き心地がいい。

「10年は持つ」と、耐久性は抜群だ。



彼らはライオンを1人で殺せるようになると

一人前として認められる。

赤い布を身体に巻き、いつも槍を持っている。

また、視力がべらぼうによく、

平均3.0~6.0で、中には12.0という

脅威の千里眼もいた。



カッコイイ!

これがマサイの印象だった。

ちょっと荷物になるが、

マサイの布(約650円)を購入し、

アクセサリーを3つ(約1000円)購入した。

憧れていた民族なだけに、

何か記念になるものが欲しかった。



先日のエチオピアで会ったムルシ族、

そして今日のマサイ族、

みな時代の波に押され、伝統を守りながらも、

現金収入を得られる観光ガイドなどの

職業につく者が少しずつ増え、

遊牧生活を続けてゆくことは

年々難しくなってきているそうだ。

マサイが身につけているアクセサリーは

タンザニアで購入していると言うし、

マサイの布は中国製だとか…。



今は21世紀、時代の狭間で揺れ動く

彼らのアイデンティティーを

垣間見て、また少し考えさせられた。


旅することは、“思考する”ことだと思う。