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寫眞徒然

ロマンスとひみつ

2022.08.27 13:03

そこは温泉街の路地に

さりげなく紛れ込んでいる。


不思議に馴染んでいるけれど

異空間であることには間違いない。


図書室で整然と並ぶ本の中に

誰かが不意に入れた

ジャンル違いの本のような違和感と

なぜそこに?という好奇心が

掻き立てられた。

雨が降っている。

期待させるように弱くなったり

途方に暮れるくらい強くなったり。


朝起きてから何度窓の外を覗いたろう?

息苦しさがほんの少しずつ

積もっていく日常を飛び出したくて

旅に出た。


目的地はあの秘密の異空間。

非日常はいつだって、

すぐそこにあるもので

不意に触れてしまうものだ。

そこは、不思議な場所だった。

誰かの秘密の書斎。

ひみつ基地。


時間の流れがズレているような気さえする。

ふいに開かれたヒミツに

足を踏み入れる。