『ニセコイ』
古今東西における漫画実写化映画。その中でジャンプの人気漫画の実写化でありながら、そんなに話題にあがっている気がしない映画、ニセコイ。ずっと観たかったんだけど、見放題に並ぶことが中々なかったニセコイ。
しかしついに最近になり、アマプラとNetflixで見放題となった。もうこれは観るしかないだろ! ということで観ました。
ニセコイと言えばきちんと完結まで描かれたラブコメで、だからこの映画も完結までを描いている。つまり、千棘とつきあうところまでいくわけだ。二時間で。
いけるんですか。と悩まれそうではあるが、橘の登場が30分時点で、鶫誠士郎の出番を「クロードの横でなんか滅茶苦茶人生に疲れてそうな顔で立っている女」程度、鍵のペンダントの話は、原作を読んでいるなら知ってるだろうから省略化して、五人目の楽ハーレムメンバーのお姉さんの存在を消滅させることによって、物語を加速。文化祭の用意をしながら林間学校に向かい、キムチでもいい? を無くすことにより、さらに物語を加速させることにより、二時間の枠にニセコイを詰め込むことに成功している。
その弊害で五人目のお姉さんの出番は消滅し、鶫はセリフを失う。ニセコイ名物、物語の都合上小野寺を振らないといけないので不憫な目に遭う小野寺=小野寺虐がぐんぐん加速。そしてるりちゃんは背景。喋っていた気はします。
ダメージはないのは、はじめからおもしろキャラであった橘ぐらいだろうか。千棘はまあ……うん。
高速化の果てに、小野寺をひたすらに虐めてたらなんか千棘とつきあうことになったという、不思議な作品。いやニセコイがそもそもそういう作品だったのでは? という疑問もある。
ちなみにこの監督は、「かぐや様は告らせたい」の実写化監督でもあるんだけど、あの映画とこの映画を合わせてみると、この監督の手癖が浮き彫りになっていいかもしれない。広い部屋にぽつんと置かれた机。テレビみたいな演出。というかテレビ。とりあえず俳優で一発笑いを取ろうとするジェネリック福田雄一システム。
案外楽しいかもしれない。あと小野寺の髪型はわりと現実にいても違和感はなかったかもしれない。だからきみは無で、鍵のペンダントを開けるのもついでの作業みたいになってしまうんだ。本当に楽しいの? 意外と楽しかったよ。まだ終わらないんだなこれって気持ちにはなるが。次は「僕は友達が少ない」の実写が観たい。