ためいきの日曜日

インド洋に浮かぶ楽園「マダガスカル」。
アフリカ旅のボーナスステージとして訪れたこの国も
残すところあと3日。
せっかくだからと一番いい部屋に移ることにした。

『MOON LIGHT HOTEL』のルームナンバー22、
扉を開けてビックリした!
30㎡はありそうな広々ルーム。
東京で借りていたマンションと同じくらいの広さだ。

真ん中にリビングを挟んでベッドが2つ。
テレビもバルコニーも付いていた。
木のぬくもりを感じられる、寛ぎ空間。
これで1泊16800アリアリー(約1000円)は
ずいぶんとお得である。
カーテンがそよ風にたなびく。
首都アンタナナリボは標高が高く、
空気も乾燥していて秋のようだ。
ベッドに横になり、音楽を聴いていると
そのまま夢の中へと落ちていった―。
午前11時、二度目の起床。
お腹が空いたのでブランチを摂ろうと、外へ出た。
ところが今日は日曜日。
これでもか!ってくらいに店は閉まっていた…。
行きつけのレストラン、
重たいシャッターが閉じていた。
安くて快適なネットカフェ、
固く鍵がかけられていた。
いつもは階段にぎっしりと軒を連ねている露店も
キレイにいなくなっていた…。
マダガスカル航空にリコンファームに行くも
「CLOSED」の表札。
顔なじみのタクシー運転手を探すも、
タクシースタンドはもぬけの殻…。
街が死んでるよ…。
この国では日曜日はきっちり休みをとるようだ。
辛うじて見つけた商店で
パンと水、そしてすももを買って宿へと戻った。
することがないよぉ…。
天井を見つめながらベッドでごろごろ。
だだっ広い部屋で、空虚な心を泳がせた。
荷物をひっくり返して、整理してみたり、
撮った写真データをバックアップしてみたり。
溜息をこぼしながら、
やり場のない時間を持て余した。
ためいきの日曜日、
ひとりぼっちを感じながら
何もなかった1日をこうして回想している。