山

　今日は山の日だけど山どころかゴミ捨てに出た以外は一歩も外に出なかった。昨日四回目のワクチンを接種した。これまで三回ともファイザーだったからモデルナにしてみた。約二十四時間後、三十七度の微熱が出た。ロキソニンを飲んで寝たらすぐに下がった。今は腕の痛みを残すのみ。でももう打ちたくないな、これで無敵になれるといいな、と思った。

　ドラマ『リコカツ』を観た。北川景子様が出演されているので気になっていた作品。面白かった。離婚から始まるラブストーリーというのが良かった。主人公カップルの恋愛が中学生のような初々しさで良かった。自衛隊や雑誌編集の仕事の片鱗も垣間見られて良かった。ラストの盛り上がるシーンで毎回主題歌がドラマチックに流れ出すのが何だか面白かった。まるでドラマを観ているようだなと感じられていつも笑ってしまった。いや、ドラマなんだけど。

　一番良かったのが家族の関係性の描かれ方。結びついた絆は必ずしも紙一枚で壊れるわけではないと示されたのが喜ばしかった。

　映画『ショーシャンクの空に』を観た。有名作なのでタイトルとジャケ写だけは知っていたが何せ「古い映画」という認識から出られず、なかなか手が出せなかった。でもQuizKnockの山本さんが「面白かった」と仰っていたので観た。ものすごいものを観てしまった、というのが第一に抱いた感想。“死ぬまでに観たい映画”なるものに選出される理由もよく分かった。でも刑務所が舞台ということもあり、ショッキングな場面が多く、結構辛かった。それでも育まれ膨らんでいく友情には感激したし目標のために奮励努力する主人公や絶望からの解放感も良かった。ただ果たしてそれでいいのだろうかと疑念が湧きもした。鑑賞後時間が経つにつれますますその疑念が濃くなっていった。理論と感情論のどちらに従うかによって感想が変わりそう。でも善悪を完璧に二分できないのと同じように、主人公たちの選択をジャッジすることなどできないなと結局思った。

　ヒロアカを読んでいても同じような考えに辿り着く。ヒーローだからといって全員が聖人なわけではないし、ヴィランだからといって全員が悪人なわけでもなく、どの立場であろうと人間は人間で、それぞれにバックボーンがある。あと一ミリでもずれていればヴィランになっていたかもしれないヒーロー、ヒーローになっていたかもしれないヴィランが何人もいる。だから憎むべきは罪やそれを助長した世界であってその人そのものではないと肝に銘じなければならない。ヒロアカは次回の話を読むのが待ち遠しくもあり、怖くもある。ジャンプ次号発売まであと十日余りあるからそれまでに情緒を整えよう。