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Healing Studio Mana

「意識はなくても、思いは聞こえている」というお話

2022.08.12 06:08

30年ほど前の話になります。友人の、まだ小さかったお子さんが、自宅のプールで溺れました。プールの底に沈んでいる息子さんを見つけたのは、お母さんである友人でした。雇っていたベビーシッターは昼寝してしまっていたそうです。人間の身体は、溺れると、最初は沈みます。浮いてくる時にはすでにだいぶ時間が経っているのです。息子さんはすぐ病院へ運ばれました。そこからICUに何日もいました。その間、友人は必死で祈りました。どんな姿でもいいから、生きていてほしいと。息子さんは、脳が膨れ上がり、損傷をふせぐために、頭蓋骨は外されました。意識不明のまま、何日も高熱と戦っていました。友人は藁にもすがる思いで、必死で祈りました。同時に、あんなに家の中の安全性には気を付けていたのに、なぜプールの周りにフェンスを付けなかったのか、自分を責めていた事でしょう。ベビーシッターを責める言葉は、私は一度も耳にしませんでした。


友人の希望で、私と別の友人もお世話になった事のある、臨死療法士の方を紹介しました。私はその頃、この方の「退行催眠」のセッションを受け、「過去世と過去世の狭間」を体験していました。(私はこの時、「神」に会ったのですが、その話はまた別の時に。)友人は、どうしても息子と話がしたい、との事で、その方が病室に呼ばれました。彼女は、友人と息子さんの手を取り、二人を繋げました。その瞬間、友人は、吐き気がするほどの頭痛がしたそうです。友人は「この子は、こんな痛い思いをしているのか。私が必死で逝かないでって言うから、何日も私のために、頑張ってくれているのか」と思ったそうです。友人はそれがわかった時、息子の手を握り、小さな声で言ったそうです。「ありがとう。ママのために頑張ってくれてありがとう。でももういいよ。頑張らなくていいよ。ママは大丈夫だよ。」と。その瞬間、息子さんは、息を引き取りました。


私はこの時の事を、機会ある毎に思い出します。それは、私が「ヒーリング」というものを初めて目の当たりにした瞬間だったからではないかと思います。彼女は、「臨死療法士」や「臨床ヒプノセラピスト」を名乗っていますが、私は、ヒーラーでもあると思っています。ヒーリングって本当に多岐に渡っていて、ライトワーカーのお仕事はすべてヒーリングだと思います。私は、振り返れば子供の頃から色々あったけれど、この一件がきっかけで、目に見えない世界(スピリチュアルなんて言葉は知らなかった)を認識し、徐々に引き込まれていった気がします。


このお話には後日談があります。息子さんの葬儀が終わり、友人はしばらくの間、ハワイへ傷心旅行に行きました。環境の違うところへ行き、心の整理をつけたかったのでしょう。友人はそこで、偶然、高校の時の同級生と再会します。同じグループの子ではなかったようですが、久しぶりに会った彼女と話が弾んだそうです。そして、いつの間にか、それほど知った仲ではないその人に、亡くなった息子さんの話をしていたそうです。そしたら、なんと、その同級生の方も、同時期に、お子さんを水難事故で亡くされていたのです。彼女もまた、傷心旅行でハワイに来ていました。こんな偶然ってありますか?他の誰にもわからない感情を、悲しみも、怒りも、罪悪感も、辛さも、そして無限に広がる愛おしさも、本当の意味で理解できる人が、目の前にいる。今は、お互いしかいない。そんな二人を、引き合わせた宇宙って、すごいと思いませんか?これが宇宙のサポートなんだな~と、今思い出しても、感動します。