歌い損ねる
2022.08.13 09:35
雨に唄うほどの気分ではない。
ちっともそんな気分じゃない。
どんな気分になっても良いように
いくつも香りを持って来た。
でも、どれも私の気分を盛り上げない。
何度窓を覗いても雨は雨。
チラリとも青が見えない。
灰色の世界。
灰色が嫌いという訳ではないけど、
今日は灰色じゃない色が見たかった。
雨だろうと関係ないくらいの
良い気分って何?
雨だといつも以上に髪はうねって、
傘を持ってても濡れて張り付く服は不快。
そもそも傘を持つのが邪魔くさい。
しかも、雨に濡れて独り...なんて、
訳あり過ぎて滑稽だ。
だから、今日の雨は嫌い。
降るなら違う日にしてよ。
何が起こるかわからない飴に
手を出すほど無邪気ではなくなったから、
不思議の国にも行けない。
仕方ないから
傘をさして、荷物を持って、
歩いてやるわ。
海にバカヤロー!と叫びに来ただけだった。
でも、それは晴れてる時の予定。
予定が狂って散々。
こんなに予定通りでないのなら、
やっぱりこの飴を食べてやろうかしら?
どうせ、何にも起こらない。