【フ-2】プラトーン(私的埋蔵文化財)
「プラトーン」(オリバー・ストーン監督)と「戦場のメリークリスマス」(大島渚監督)を同じ日に、別の映画館で観た。そんなことはめったになかったので覚えている(つもりだが、こういう確信も近年、怪しいことがあることに気づき始めた)。京都・新京極にあった松竹座と、もう一館はどこだったか。
ところが初公開年を見てみると「プラトーン」は1987年だが、「戦メリ」は1983年とある。なぜだろう? 観たのは1987年(40歳の時)で確定だから、「戦メリ」は名画座で公開していたのか? 新京極の名画座(二番館)ってどこだ? 地下になる前の弥生座? かな?
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最近の人は皆、シネコンかミニシアターで映画を観ることが多いのだろう。もっと多いのはネット配信だろうけど。そんな映画館環境になる前は、一館ごとに上映作品を確認して出かけた。「プレイガイドジャーナル」「ぴあ」なんて情報雑誌が出現するまでは、新聞の下段の上映映画館一覧で確かめて足を運んだ。
小さなスペースに、劇場名、作品名、上映時間を詰め込んである。大小の活字が入り乱れていた(写真は50年程前の名古屋版上映案内)。
実はこの二本、観た時に共にあまりピンと来ていなかった。私はそういうことがとても多いので珍しくもないが、そんなに興奮しなかった。「戦メリ」なんてビートたけしの傾げ首しか記憶にない。「プラトーン」は主演のウイレム・デフォーがとても印象的で、それまで知らなかった役者だが、その後はあちこちで目にすることになった。
ベトナム戦争は、われらの時代の一大イベントで、「べ平連」に代表されるように、様々な物語の軸になっていった。ハリウッドはベトナム戦争だけではなく、自国が国外で展開する軍事作戦をネタに、いつも映画を作ってヒットさせてきた。
そして2011年、世界貿易センタービル攻撃ではじめて、自国が戦場化された映画を、南北戦争以来、初めてたくさん作ることになった。