ごきげんスイッチ
こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。
8月も残り半分を過ぎました。
学生さんも、お子さんと過ごしている親御さんも、夏休みの残りの日数を数えていらっしゃるかもしれません。
まだまだ残暑厳しい日々、皆さまどうぞ健康第一でお過ごしください。
ここ数年、「自分の機嫌は自分でとる」という考え方が少しずつ広まってきました。
大人になっても怒りを誰かに当たることで解消しようとしたり、不機嫌オーラをまき散らすことで周囲をコントロールしようとする等、自分の感情を他者で慰撫しようとするタイプの人は、残念ながらまだ少なくなく社会の中にいるようです。
もしかしたら、ご自身にも覚えがある…、という方もいらっしゃるかもしれません。
かくいう私自身も、家族に対して察してほしい、いたわってほしいと、言葉でなく態度でアピールしてしまう傾向が完全には抜けきらず、自制と自省をくり返しています。
それくらい、成長の過程で身についた/身につけたやり方を修正していくことは、自覚があったとしても難しいものです。
しかし、どれほど難しいことでも、自分の感情によって(もしくは感情を使って)他者を振り回さないことは、安定し、安心できる人間関係を築くためには不可欠な条件の一つといっても過言ではありません。
いい人たちといい関係を持ちたい、大切な人たちといい関係でい続けたいと願うのであれは、自分の機嫌は自分でとり、そして、相手の感情は相手に任せるようにすることが、なかなか重要な条件ではないかと思うのです。
「自分の機嫌を自分でとる」ためには、最低限押さえなければならないポイントがあります。
一つは、自分の現在の感情状態を把握できること。
もう一つは、状態に応じて感情を安定させる方法を知っていること。
そして、その方法を実際に実践できることです。
①自分の心の動きをモニタリングし
②把握した状態をどうしたら改善できるのか考え
③自分をよりよい状態にするために行動する
もしかしたら、多少なりとも、それぞれにすでにやっている流れかもしれません。
人によって、得意な段階もあれば苦手な段階もあると思います。
タイトルの「ごきげんスイッチ」は、②にかかわるところです。
「ごきげんスイッチ」とはつまり、自分の五感がよろこぶことと言い換えることもできます。
泣いてぐずる赤ちゃんに、できる限り快適な状態を整えてあげようとするのに似ているかもしれません。
気持ちが落ち着くこと、気分がよくなること、気持ちがほわっとあたたかくなること等を、日常の中でアンテナを立てて探してみてください。
好物を食べた時、よい香りに触れた時、触り心地のいい服を着ている時、好きな音楽を聞いた時、目に美しいものを見た時、等々。
精神的によい状態に傾いた時に触れた刺激を覚えて、それをご自身の「ごきげんスイッチ」としてストックしておきましょう。
いざ心がネガティブな状態になった時には、その時効きそうなもの、もしくは手当り次第でも、ストックしておいた「ごきげんスイッチ」を試してみてください。
その時々の状態によって、どのごきげんスイッチが効くかも変わってくるでしょう。
もしかしたら、ストックしておいたごきげんスイッチでは太刀打ちできないこともあるかもしれません。
それでも、ごきげんスイッチを知っておくことは無駄ではありません。
ある時は効果がなくても、ストックしたごきげんスイッチは自分のツボを知るとっかかりになります。
どういう刺激を好ましく感じるのかを知っていることで、より効果的により多くのごきげんスイッチを見つけることができるようになります。
新しくより効果的な方法を見つけたり、いろいろなごきげんスイッチを組み合わせることで効果が出ることを見つけたり、①→②→③→①→②→③→…とくり返すことで、自分の機嫌を取る方法を増やし、より洗練させていくことができるでしょう。
自分の機嫌を自分でとるにも、慣れないうちはうまくいかない経験を重ねて、試行錯誤や練習が必要です。
自分のよい状態にアンテナをはって、ご自身がよろこぶこと、うれしくなることをたくさん見つけてあげてください。
かしこ