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ワインと地酒 もりたか

Gerard Schuellerのジェラールさん

2022.08.10 01:42

フランス・アルザス地方のワイナリー、Gerard Schuellerのジェラールさんが亡くなったと、パリ・エノコネクションの伊藤先生から知らせがありました。

ボジョレ地方のマルセル・ラピエールやジュラ地方のピエール・オヴェルノア達と同じく、フランスで最も早くから自然派農法での葡萄栽培に取り組んだパイオニア的存在でした。

初めてワイナリーを訪れてお会いしたのは1990年代後半で、醸造を手掛ける息子のブルーノさんを静かに見守っていた様子が思い出されます。

アルザスワイン界の伝説のひとつとなっているアルザスAOC委員会との戦いがありました。

あまりに個性的で美味しいワインの出来栄えに恐れを抱いた委員会が彼等のワインをアルザスワインとして認めない時期が長く続きました。

しかし、彼等のワインの品質の高さと本物を知る多くの応援者の理解によってブルーノさんのワインは世に出て、今では世界的な評価を得るに至っています。

正直に言いますと、私も初めて彼のワインを飲んだ時は、それまで飲んできたワインとは全く違う醸造方法やその香味に驚くばかりでした。

渡仏を重ね、現地で本物のワインを知る経験を重ねるうちにその旨さの凄さを身体で理解出来るようになり、いわゆるVin Naturel.自然派ワインの虜になっていきました。

天と地の恵みと人の愛で生まれたワインはまさに神からの雫です。

私は決してワインに詳しいわけではありません。

それでもヘンにワインを勉強した人やブームで自然派ワインを名乗る人達とは違うという自負を持っています。

言葉にすることは難しいのですが、現場に通い続けワインの本質に触れ続けてきたからです。

人生の宝を、フランスのワインの造り人達や共に頑張ってきた仲間達、そしてワインをお飲みくださるお客様方からいただいて参りました。

自然派ワインの先駆者に出会えたことは、ワインの世界にいる人間としてとても幸せなことであったとこころより感謝しております。

ジェラールさん、ありがとうございました。

献杯。