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紅く色づく季節

仮面の奥に

2022.08.17 00:28

【詳細】

比率:性別不問1

現代・シリアス・その他

時間:約3分


【あらすじ】

「私はダメな人間なんです」

いつも笑顔の穏やかな人。

そんな人が心の奥底に持つものとは……


*少し暗めの内容となっております。苦手は方はご注意ください

*こちらのシナリオは女性口調で書いておりますが、性別不問とさせていただいております

 一人称、二人称、語尾の変更可でございます

*こちらのシナリオは『君が立ち向かうなら』と対のシナリオとなっております


【登場人物】

私:いつも穏やかで笑顔の人



私:

私はダメな人間です

怖いこと、嫌なことから逃げてしまう弱い人間です

それも巧妙に……自分だけは悪者にならないようにして立ちまわって逃げる卑怯者です


でも、そんな卑怯な私をみんなは優しいと言ってくれます

「貴方がいるから助かっているのだ」と

「貴方のおかげで救われた」と


……違うんです、本当は……

人に嫌われるのが怖いから、優しいふりをしているだけなんです

    

本当はその人や事が間違っているってわかっていても、その場にいるみんなが賛成で、私一人が我慢すればいいことなら黙っているんです

それが後に間違っていたとみんなが気が付けば、「あの時みんな気が付かなかったから仕方がない。今度は気を付けよう」と言えばいい

それが良い方向に転んだのなら、「みんなで頑張ってよかったね」って言えばいいだけだから


何か悪いことがあったときに、いの一番に駆けつけて、何があったのかを聞くのも自分自身が最悪の事態に巻き込まれないようにするためなんです

そこで自分が原因じゃないと分かれば心穏やかになれるし、原因が自分だと分かればすぐに行動がとれるから


ほら、私はダメで弱くて、汚い人間でしょう?

優しくなんてない

凄くなんてない


本当の意味での自己犠牲なんて出来ないくせに、承認欲求だけは人一倍大きくて

「凄い」とか

「優しい」って言われたい

   

矛盾している


自分で作った『私』という理想像に不満を持っているはずなのに、その『私』が受けている賞賛をもっと欲しいと思ってしまう

何をしているんだって、自分でも嫌なほど笑ってしまう

理想なんて、止めてしまえば楽なのに




でも……

『私』が認められれば、出来ることがいっぱい増えるでしょ?

そうしたら、また出来ることが増える

出来ることが増えれば本当に大好きな人たちを守ることが出来るから


私は弱くて、ダメな人間です

それでも、守りたい人や場所があります

だから、そのために、私は今日も面に笑顔を作って微笑むのです




―幕―



2021.03.29 ボイコネにて投稿

2022.08.17 加筆修正・HP投稿

お借りしている画像サイト様:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)