TL バルクヘッド レビュー 2022.08.20 12:23 今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、“TLー03 オートボット バルクヘッド” です。 “超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム” に登場したオートボットの “警備員 バルクヘッド” が、およそ10年振りにリメイク。 レガシーで発売されました。 前シリーズであるウォー フォー サイバトロン トリロジー(WFC)3部作は、ビーストウォーズを含む初代アニメから続く世界観のなかでのリメイクが中心でした。 リデコの限定品などでそれ以外の世界観のキャラクターが発売されることもあったと思いますが、あくまでオマケという感じだったと思います。 新シリーズとなるレガシーでは、そんなWFCの路線は継続・・つまりG1をメインにビーストウォーズ系のリメイクも継続しつつ、新たにこれまであまりリメイク機会のなかった複数のシリーズ(世界観)からキャラクターを抽出することでラインナップの充実を図るというようなかたちになっています。 まぁ、G1・・とくに初代アニメキャラのリメイクばかりではさすがにネタがなくなってきたということなんでしょう。 シリーズ名こそ変わりましたが、レガシーはWFCの正統な系譜にあたり、基本フォーマットは共通ですから、それこそまた同じキャラでやり直すということもできないし、というところでしょうか。 WFC3部作はネトフリで配信されたアニメのタイアップもあり、ラインナップにもある程度のストーリー性が求められたと思うのですが、レガシーではそんな縛り(?)もないし、ならなんでもいんじゃない? とか? 今流行りのマルチバースという考え方で、世界観を超えていろんなキャラクターを集めてみました、という感じなのかな。 わりと最近の作品も組み込むことで少し若い世代にも訴求できるということもあるのかもしれません。 そういうところで、まずプライムというのは納得できる話。 まぁ、それでも10年経っているわけですが・・ トランスフォーマー プライムは、アニメイテッドの後番組として、日本では2012年の4月から放送された作品です。 登場キャラがアニメイテッドと被るところもあったので、てっきり続編だと思っていたのですが、直接の繋がりはないようですね。 ビーストウォーズシリーズ以来のフルCGアニメとして全4シーズンが制作されましたが、日本では2シーズンで放送終了しています。 僕はちゃんと見たことないんですが、わりとハードな展開だったようですね。 日本におけるトイの展開は、まずアニメの放送前にファーストエディションとして日本独自カラーに塗装されたものが数点発売。 このシリーズは、その出来のよさで当時かなり話題になった記憶があります。 一方、アニメ放送後に発売された本シリーズともいうべきアームズマイクロンシリーズは、海外版のロボッツインディスガイズシリーズに組み立て式のアームズマイクロンを追加。本体にもそれを取り付けるための5㎜穴を増設するなどの改修が施されましたが、そのぶん海外版で付属した武器が省かれたり、塗装が大幅に減ってシールで補完されるようになっているなど、かなり仕様変更されての発売となりました。 そもそもファーストエディションよりも随分と構造が簡略化されていたこともあり、必ずしも評価はよいものではなかったと思います。 ただ、デラックスクラスの定価が税抜き2000円と当時としてもかなりの低価格でしたので、初心者にも買いやすいシリーズだったかもしれません。 一長一短という感じでしたかね。 さて、そんなプライムから登場のバルクヘッド、レビューしていきます。パッケージ 当然ですがデラックスクラスと同じ歪な形状で一回り大きな外箱。 もちろん中身は剥き出しです。 やはりキングダムまでの同クラスの箱よりも一回り小さくなっていますね。 余談ですが、底側の蓋を開けるときにツメを抜かないといけないんですが・・ いきなり箱破っちまった! となって一気にテンションが下がったのですが、 そもそもこのツメ部分は切り込みが入ってたんですね。 日本版ではその上から日本語表記のシールを貼っているので先のような状況に・・ デラックスのときはわりとすんなり開いたので気付きませんでした。 すみませんね。いきなりいちゃもん付けてたみたいで・・(笑)バルクヘッド アニメイテッドでもほぼ同じデザイン、立ち位置で登場したのですが、そのときは日本ではアイアンハイドに名称変更されていました。 日本での肩書きも、それに由来するものと思われます。 オプティマスやバンブルビーはもう改海外名準拠が定番になっていたのに、なんで彼だけ? そのせいで本来アイアンハイドとして登場するキャラが日本ではアーマーハイドという名前に変わっているし・・ とまぁそれはさておき、プライムにおけるバルクヘッドは元レッカーズ。気は優しくて力持ちという感じのキャラクターだったです。 ちなみに、バルクヘッドという名前はスーパーリンクに登場したスプラングの海外名から。デザインはアニメイテッドで新規に起こされたものです。 いや、もう見ためが新しいなら名前もまったく新しいものにしようよ。ややこしい・・ なお、今回のレガシー版の商品名は日本では “オートボット バルクヘッド” ですが、海外では “プライムユニバース バルクヘッド” となっています。 ほかにもG2ユニバース、コミックユニバースなど、G1およびビーストウォーズ以外の世界観由来のキャラの商品名はそのように冠が付くようですね。 日本もそうしたらいいのに・・ロボットモード ビークルのフロントが胸部となり、全体に角張っている箱ロボ観強めのデザイン。 胸部のが真四角なのが目立ちますが、腕や脚はそこそこ長く逞しく、全体的には均整ととれた良プロポーションになっています。 普通に格好いい。 ただこの姿、実はプライム版のデザインとはまったく違うんですよね。 まぁ顔はバルクヘッドですし、メインカラーもグリーン系で近い配色。 G1風のリメイク(ジーワイナイズというんですか?)といわれれば、そうなのかとも思いますが、はたしてそれはファンが望んでいることなのだろうか? まぁ、過去にもリデコでの強引な再現でこういった結果になるキャラはごろごろいたわけですが、今回は完全新規で、そもそもバルクヘッドとして作られたわけですから、これはあえてのアレンジということなんでしょう。 僕個人はプライムという作品にとくに思い入れないので、もはやほぼ新キャラとして受け容れられるんですが、プライムファンにとってはどうなんだろう? やっぱりファンはプライムデザインのリメイクを見たかったのではないだろうか? まぁ、ファーストエディションについてはリメイクする必要はなさそうだけど・・ 今回こういうかたちにした意図はなんなのかなぁ? バストアップで。 頭部は当然基デザインがベースなんですよね。 しゃくれた顎とか。基本的にアニメイテッド版のデザインが踏襲されています。 それが、完全に箱型の胸部の上に乗っているのが、なんともアンバランスな感じもします。 なお、胸部はクリア成型の1パーツでウインドウ部分以外が塗装されています。 窓枠とかけっこう丁寧に塗り分けされているのですが、さすがに緑色の質感がほかの成型色部分と違いますね。 これだけ大きなパーツなんだから、窓部分だけクリアパーツを裏打ちするとという方法もあったでしょうに、最近そういうののないですね。 ブロキャの胸部とかも。 一体成型のほうがコストがかからないんでしょうけど・・ なお、腰部はもちろん回転するのですが、 回転位置が股関節の真上なのであまり見栄えがよくありません。 ここはもう少しやりようがったのでは? と思うところ。 ただ、実はあまり気にならないんですよね。 背面。 正面から見る胸部のボリューム感と較べると、随分とすっきりした背中です。 腕部基部となるパーツが背筋のように見えるのがいい感じ。 実は胸部ががらんどうなのが、後ろから見るとバレますね。 でもそれ以外で目立つ肉抜きはありません。 太腿の内側に肉抜きがあるのですが、太いか同軸が入っているのであまり気になりませんね。付属武器レッキングボール メイン武器となる鉄球。 劇中では手が変形するのですが、今回は鉄球が開き、内部の5㎜軸を手で保持して鉄球を閉じる、というかたち。 なお、内部の軸は手(拳)の形状に合わせて中心からずれた位置にあり、右手に取り付ける場合はそのまま上から、左手に取り付ける場合は引っ繰り返して下から取り付ける仕様になっています。 多数ある突起には5㎜穴が空いているので、いろいろとカスタマイズも可能です。シールド ビークルモードで荷台に被せる幌が変形(というかほぼそのまま)する大型のシールド。 まぁ、ロボットモードで余剰となるガワの有効利用というところですが、覗き穴があったり、左右が可動したりと、そのままの形状ながらわりと実用的な装備に見えるのがいいですね。 可動する5㎜軸で前腕に取り付けたり、手に持たせたり、レッキングボールと組み合わせたりもできます。 接続用の5㎜軸は180度可動するので、表裏をどちら向きにでも持つ、取り付けることが可能です。 背面にマウントすることも可能。 というかここがビークルモードでの取り付け位置で、このまま変形させることが可能です。エナジョンウエポン ガトリング砲タイプのエナジョンウエポンが付属。 デフォルトでは左右側面にある3㎜軸で頭部後方に取り付けます。 関係ないですけど、ここに配置されるタイヤ、けっこう好きですね。 なんか実写版デザインっぽい感じもあって。 5㎜軸もあるので手に持たせることもできます。 なお、ご覧の通りクリアブルーで成型ですが、一部ガンメタリックで塗装がされています。 砲身部分だけ発光しているようなイメージなのかな?ビークルモード プライムでは大型のSUV車に変形したのですが、今回は実写版ハウンドがロストエイジのときに変形したような軍用トラックにトランスフォーム。 つまるところロボット、ビークルともにオリジナルとはほぼ別物なんですよね。 どうしてこうなった? いや、このビークルモードそのものは非常に綺麗にまとまっていて、変形もシンプルかつかっちり決まるので変形トイとしての出来は文句ないんですけどね。 基本モチーフは同じものの多少アレンジが加わることで形状が変わるというのならまぁわかるんですが、まったく違うものにしたのはどういう経緯なのか? ロボットモードでの見た目の変化も、このビークルモードの持つー附の変更によるところが大きいわけですからね。 逆にロボットモードはほぼ同じなのにビークルのかたちが違う、というパターンはこれまでもけっこうあった気がします。 幌は外すことが可能で、荷台部分にレッキングボールとエナジョンウエポンをマウント可能。 もちろんこの状態で幌を被せることも可能です。 さっきの後面画像で見えてますね。比較画像 プライム ファーストエディション版と。ロボットモードで。 顔とメインカラー(色味は随分違いますが)、あと武装が共通ですが、各部のデザインだけでなくプロポーションもまったく違います。 とくにプロポーションについては、プライム版のゴリラ定型こそバルクヘッドのアイデンティティという感じもあるので、それを単に今風の小顔脚長体型に近付けたということならやはりちょっと違うのではないか? とは思うんですよね。 なのでやはり、バルクヘッドが初代のアニメにも登場していたら、こんな感じだったのかなぁ? というのが今回のレガシー版という気がします。 ビークルモードでも。 まったく違うものですね。 というかロボットモードもそうですが、やはりファーストエディション、今でもまったく見劣りしませんね。 プライム版の前身であるアニメイテッド版と。ロボットモードで。 カートゥーン調デザインのアニメイテッド版はまん丸いボディに短い脚いというかなり可愛らしいフォルムで、当然ですがプライム版以上に別人です。 完全にゴリラだなぁ(笑)。 ビークルモードでも。 丸っこくて可愛い装甲車に変形するアニメイテッド版ですか、プライム版のSUVよりは今回のトラックに近い雰囲気はあります。 ていうかでかいな、アニメイテッド版(笑)。 ちなみにアニメイテッド版はリーダークラス版も発売されています。 そちらとの比較もついでに。 さすがリーダークラス、でかいわ・・ ムービーザベスト版のハウンドと。ロボットモードで。 あらためて並べるとやはり雰囲気が似ている。 これは、ベイバース版ハウンドのG1化と言われても仕方がないかもしれませんね。 というか、そもそもこのハウンドのデザインにバルクヘッドの要素が取り入れられているような話もありますし、なんかこう、いろいろなことが複雑に絡み合って今回のレガシー版バルクヘッドが生まれたのかなぁ? ビークルモードでも。 変形させてから気付いた・・MBは最後の騎士王ベースやん。 このときハウンドが変形するのはウニモグという軍用トラックで、今回のバルクヘッドのビークルに似てるのはロストエイジのときに変形するほうでした。 でも一応、せっかくなので共に幌(装甲)を外して。 ギミック的には似た要素があるんですよね。 MB ハウンド の レビュー こっちでしたね。ロストエイジのときのハウンド。 たしかこれは限定版BD化なんかに付属した、重塗装版だったかな。 6輪タイプの軍用トラック。やはり並ぶと実写版とアニメ版という感じです。 ちなみに、このハウンドは荷台部分の装甲を外すことはできません。そこはロボットモードの腕になります。 ライバルのウォーブレークダウン(AM版)と。ロボットモードで。 ウォーブレークダウンというのは日本での名称で、海外では単にブレークダウンと呼ばれます。 日本ではスタンティコンとの差別化とか、商標の問題があったのかな。 劇中のサイズ感はわかりませんが、これだとブレークダウンのほうが頭一つぶんほど背が低いです。 しかしそれよりも、やはりプロポーションの方向性の違いで少し違和感のある並びになってしまったかもしれませんね。 ビークルモードでも。 ブレークダウンのビークルも走行車両のように見えて、この並びはそれほどおかしくは感じないかなぁ。 さてさて、相棒のノックアウトはリメイクされましたが、彼も期待していいのかな? というか、可能性とするとこのバルクヘッドのリデコで出す確率が高いかも。 デザインもやはりけっこう変わりそうですね。以下、画像 可動は良好。 WFCから続く共通フォーマットでは特別よく動くというわけではなく、あくまで標準的ではありますが、全体のボリュームと相まって迫力のあるポージングが可能です。 足首スイングの可動域はかなり広いのですが、そのせいで足首が切れているように見えてしまうのは少し残念。 先に言った腰部の回転位置ですが、ボリュームのある胸部のおかげであまり目立ちません。 一方で、同じく胸部のボリュームがすごいせいで相対的に腕が短く見えてしまうので痛し痒しというところかも。 肩も上方への跳ね上げや前方への引き出しができないので、少し窮屈な感じはあります。 でも拳は回転するので、大型の武器なら両手持ちくらいはできそうですね。今回は試してないけど・・ 立て膝は綺麗に決まります。 爪先が伸びるのでバランスよく接地できますね。 スタンド対応穴は腰裏にあります。 フル装備で。 シールドがいいアクセントになっていますね。 ただのガワと侮るなかれ。 むしろなにも機能を追加しないことでER アイアンハイド(およびラチェット)のそれのような取って付けた観がなく、トータルデザインとして本体とも非常にマッチしています。 コアクラスと組み合わせてもいい感じ。 そのまま単体で立たせることもできるので、簡易バリケードとしても機能します。 数が欲しくなるな・・ さらに付属の武装を組み合わせることで、トーチカに。 裏面はこんな感じ。 レッキングボールを咬ませることでちょうどエナジョンウエポンの砲身を覗き窓から出すことができます。 たまたまなのか、意図されたことなのか・・ 幌を外せば、荷台にコアクラスを乗せるのにもちょうどいいサイズ。 このちびロディマスもね、レガシーコアクラスの日本での発売を待って置いてあるんですけどね・・ 併せてレビューしてやりたい気持ちがある。 ヘビーアームド バルクヘッド、爆誕!! MBハウンドの武器も全盛りしてみました。 相性は抜群。司「やぁ、少し見ない間に随分逞しくなったじゃないか。 バ「あ、たぶん人違いですよ。 自分、バルクヘッドといいます。 ベイバース経由でジーワナイズされてようやくアースモードになれたハウンド先輩じゃないです。 いや、本当に誰だよ?(笑) アニメイテッド版のリーダークラスに付属するお面(ヘッドマスター9を被せてみました。 元ネタ走りません(笑)。 VS ブレークダウン。 どちらも肉体派で格闘戦メイン。 全体のボリュームはほとんど一緒なので、ポージング次第で身長差はあまり気にならなくなりますね。 レガシーWAVE4ではスタンティコンのブレークダウンが発売される見通しですが、こちらのブレークダウンも23年度以降、発売される可能性は高いのではないでしょうかね。 いきなりサイレスブレークダウンで来るかもしれませんが・・ 以上、“TL バルクヘッド” でした。 およそ10年振りのプライムキャラクターのリメイク・・なのですが、オリジナルデザインとは違う新たな姿での登場には賛否あるかもしれません。 ただ、単体のトランスフォーマートイとして見るぶんには、優秀な可動性、適度な難度でかっちり決まる変形、ボイジャークラスらしいボリューム感に、バラ得て日に飛んだ付属品と新シリーズの導入アイテムに相応しい堅実な作りで非常に満足感の高いものに仕上がっていると思います。 とくに、最初はあまり意識していなかったシールドの使い勝手がよくて、これは嬉しい誤算でした。 コアクラスアイテムなどと絡めるとなかなかに楽しいです。 このシールドだけ何個か欲しいくらい(笑)。 それも含め、個人的にはこのレガシー版バルクヘッド、けっこうに気に入っています。 初代の面子ばかり繰り返しリメイクされるのにも飽きてきた頃、キングダムでビーストウォーズがリメイクされ、そしてこの度レガシーでプライム・・ まぁ、個人的になところではマスターフォースやビクトリーの本格リメイクも願っているんですけど、やはり和製は難しいというところでは妥当なチョイスなのかな。 ただ、今後もプライム系はG1っぽいデザインにアレンジされるんでしょうが、ビースト系がそのまんまリメイクされる一方で、プライムがこういう感じになるのはファンにとってはどうなんだろうか? なにはともあれ、WFCカラの基本フォーマットはそのままに、キャラクターが増えるのはよいことです。 願わくばある程度からめて遊べるくらいには同じ世界観から数を出してほしいところですけどね。 でも、別世界の同一人物とされるようなキャラはあまり出さない感じなんだろうか? あれ? ならアーシーは? 見ためがまったく違うからいいのかな? もちろん個々のキャラクターの人気なども関係してくるのでしょうが。 プライムならモブ枠でビーコンとかも出してほしいですね。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。