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647 喫茶ポパイ(下)

2022.08.19 23:58

私が決まって頼むのはインディアンオムライス。絵面があまりにもよいので、創刊号「徳山駅旅グルメ豆本」の裏表紙の真ん中に載せた。


写真下手な私だが、スマホで奇跡的にきれいに撮れた。


オムライスの手前にカレールーの湖がある。「ウオッ!」

ルーが満ち満ちてる。

中はチキンライスではなく、カレーピラフなのもよいよい。

個性あふれる一品。美味しくて、なぜかなんとも懐かしくて、私は大好きだった。

■インディアンオムライス

「喫茶ポパイ」は創業75周年だけに、逸話に事欠かない。

開店当初の昭和20年代前半はコーヒーが手に入らなかった。そこで、ハワイ島への移民で知られる周防大島の人を頼って、コーヒーを入手していたらしい。


店内にあるいくつものランプはお父様の収集だったという。それが今では、インスタ映えスポットになっていた。


先日、店主さんと電話で話せた。


「体力的にきつくなりました。お店を始めた父母にはやめてごめんねという気持ちもあった。幸運にもあとを継いでくれる人に出会えた。少し肩の荷がおりました」


涙ぐみながら、そう話された。


本当にお疲れ様でした。


自著豆本は手のひらサイズの小さな雑誌だが、これからも、町の小さなよいところにスポットを当て続けようと思う。


喫茶ポパイを豆本で取材できて本当に幸せでした。一生記憶に残る。


取材者冥利に尽きる。