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ジャージの裏に鉄のプレートを仕込む(楽器のカスタマイズ(改造)のお話)

2022.08.25 22:03

毎日朝7:30頃にTwitterやフェイスブック(「ラッパの吹き方」というページ)で更新している「#今朝の一言_ラッパの吹き方」では、いろんなお話をしております。先日はこんなことを書きました。

別に改造している人にケンカ売りたいわけじゃあありませんよ。


あくまでも僕の考えなのですが、楽器というのはひとつのコンセプトに則って全体のバランスを考えて完成まで辿り着いた作品です。もちろん、そこには最高峰の素材を用る方向性だけでなく、リーズナブルにコスト削減した上で作ったものもあります。しかし、素材としては劣るけれど、それはそれでやはりバランスを考えて作っているわけです。


そう、それぞれの楽器はひとつの整ったバランスで成立しているわけです。


改造、カスタマイズというのはそのバランスを一旦解除するわけですから、どこかに何かの弊害が生まれる可能性があります。良く鳴るようになったけど、ピッチが不安定(ツボが不明瞭になった)とか。


楽器のカスタマイズではありませんが、とてもライトな楽器にいつも使っているヘビーなマウスピースを付けたら、楽器が全然鳴ってくれなくて、高音域と低音域のバランスが最悪になった経験があります。

下がジャージで上が鎧みたいな感じでしょうか、マウスピースとの相性なのかも?と思って、Bachの通常のマウスピースにしたら、あら不思議、同じ楽器とは思えないバランスの良さと鳴り、ピッチの安定感と、機能性が格段にアップしました。


これがバランスなんだ、と感じた経験のひとつです。


改造、カスタマイズって、言ってしまえば「自分の奏法など体の使い方、音に対するイメージなどを変えずに、楽器が自分の言うことを聞いてくれるようにする行為」ですよね。それって、「このジャージ、軽くて動きやすいけど、防御力なさすぎだから裏側に鉄のプレート仕込ませてくれない?」って言っているようなものではないでしょうか。

ジャージの良さ、機能性、そしてそれを作ったコンセプトを完全に無視して、自分が求めているものに変えてしまっては、本当の意味で成長するのかな?という疑問があるのです。


ということで、『自分は』改造、カスタマイズにあまり興味を持たないわけです。それよりもその楽器が最も活きてくれるにはどうしたら良いのだろうかと、楽器と対話する方を優先したいのです。その対話の先にカスタマイズが待っているのかな、と思いますが、僕は知識も乏しく、ましてや技術者でもありませんから、その領域には踏み込めていません。


こんな感じのことをツイッターとフェイスブックで毎朝7:30に短い文章で公開しています。ぜひ #今朝の一言_ラッパの吹き方 で過去の投稿もご覧になってください!



荻原明(おぎわらあきら)