2022年1月お正月は日本のお寺巡りでエア帰省⑤鎮南山・臨済護国寺。裏山の台北四国八十八ヶ所石仏巡り。(中編)
2022年1月。エア帰省散歩で臨濟護國禪寺を訪れたがぁこさん。
本堂の大雄寶殿のお参りを終え、いったんそのまま次の目的地に移動しようかな、と思いつつ鐘楼門のほうに戻っていくと、お寺の関係者らしきおじさんに、「お参りかい?山の上に行くならあっちだよ」と声をかけられた。
おじさんの指さすほうを見ると、本堂を背に左手、鐘楼門を背にすると右手の東の突き当りに、裏の丘というか小さい山に登る階段と門があるのが見えた。あちらにも建物があるらしい。
急ぐ旅でもないので、おじさんに教えてもらったのも何かの縁、お礼を言って階段に向かうことにした。
階段入口の門には「入解脱門」とある。
階段を上っていくと、石仏があった。あとでお寺のサイトを確認したところ、こちらは1929年に納められた聖観自在菩薩像とのこと。
次は金の仏様で、こちらは如意輪観音像。制作年代不明。
そして地蔵菩薩像。面長でユーモラスなお顔のお地蔵さまだ。
関係ないが、台座の水のシミが気になった。
高さからしてワンコにやられた感じがする……合掌。
階段を上り切ると、奥にお堂があり、手前は広場になっていた。
テーブルと椅子もあり、ちょっとした公園のような雰囲気で、地元の方と思われるお年寄りが和気あいあいとお茶会をしてらした。
広場を囲むように、いくつも小さな石仏が並んでいて、何か曰くありげ。
近づいてみると、一体ごとに「何番、何々寺」と彫られており、四国八十八ヶ所巡りの石仏のようだった。
こちらも帰宅後にお寺のサイトを確認したところドンピシャで、「台北四國八十八所石佛」との紹介があった。
ただ、お寺のサイトには詳しい説明は書いてなかったので、いつ頃置かれたものかなどはよくわからなかった。数も9体で、88体には程遠い。戦前は全部あったのかしら。
(※今回ブログ記事作成にあたり改めてネットで調べたところ、1925年に日本人が台北市に台北新四国八十八ヶ所霊場を開いて88か所の札所を定め、それぞれのお寺に石仏を置いたうちの9体がここに残っている石仏だそうだ。なんと先日紹介した台北天后宮にも弘法様の像以外に札所の石仏2体があったようだ。:参考文献『台湾に残る新四国八十八ヶ所霊場の石仏の観光利用について』)
とりあえずこの日、臨濟護國禪寺で写真を撮った石仏を撮影順に並べてみよう。
(位置はこの順ではないところあり)
第13番・大栗山大日寺・十一面觀音菩薩。
第18番・母養山恩山寺・藥師如來。
第78番・佛光山鄉照寺・阿彌陀如來。
第75番・五岳山善通寺・藥師如來。
第16番・光耀山觀音寺・千手觀音菩薩。
第11番・金剛山藤井寺・藥師如來。
第80番・白牛山讚岐國分寺・十一面千手觀音菩薩。
第79番・金華山天皇寺・十一面觀音菩薩。
第12番・摩盧山燒山寺・虛空藏菩薩。
いずれも刻印された字が薄くなって見えにくくなっているので、戦前からあるものだろうと思う。
ほかにも達筆な字で詩文(ひらがな以外解読不能)が彫られた石碑や五重石塔などが置かれていた。
お茶会の皆さんの話し声以外は、離れたところからお経を唱える声、あと鳥の鳴き声くらいしか聞こえなくて、落ち着いた雰囲気。
静かな静かな広場に、静かに佇む石仏。
思わず、手を合わせたくなる、そんな場所だった。
2022年1月お正月は日本のお寺巡りでエア帰省⑥につづく~
臨濟護國禪寺
住所:台北市中山區玉門街9號
時間:07:30~16:00