旅人の物語~16のレメディーたちの森を抜ける冒険~
http://hana-diary-bachflower.blogspot.jp/2011/03/blog-post.html より
旅人の物語~16のレメディーたちの森を抜ける冒険~バッチ博士
今日は1943年にバッチ博士が書き残している「旅人の物語」をご紹介します。
小さな物語によって、レメディーたちの性格をよく表しており、私も大好きなお話です。
エドワード・バッチ著作集(BAB出版)の第七章からの引用です。
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旅人の物語~16のレメディーたちの森を抜ける冒険~
昔々―お話はいつも昔々なのですが―16人の仲間が、森を抜ける旅にでかけました。
最初はうまくいっていましたが、しばらく進むと、仲間の一人、アグリモニーが、この道は本当に正しいのだろうかと悩み始めました。午後になって暗がりに踏み入ると、ミムラスが不安になり、道に迷ったのではないかと心配し始めました。日が沈み夕闇が深くなり、夜の物音が聞こえるようになると、ロック・ローズがとても怖い気持ちでいっぱいになってパニックになりました。夜中、真っ暗になると、今度はゴースがすっかり希望を失って、「僕はもう先に進めない。君たちは旅を続けてくれ。でも僕は、死んで悩みが消えるまでここにいるよ。」と言いました。
また、オークは、自分たちが道に迷って二度と日の光を見ることはないだとうと思っていても、「最後の最後まで頑張るぞ」と言って威勢よく進んでいくのでした。
スクレランサスは、希望をなくしてはいませんでしたが確信がなく、右の道へ行きたいと思うとすぐ、左に進みたくなって、決められずに悩みました。クレマチスは我慢強く、落ち着いてゆっくり歩いていましたが、このまま最後の眠りにつくのか、森を本当に出られるのかということにあまり関心がありませんでした。ゲンチアンは、皆をとても勇気づける時もありましたが、がっかりして落ち込むこともありました。
また、他の仲間たちは、森から出られることを全く心配していませんでした。けれども、自分のやり方で仲間を助けたいと強く思っていました。
ヘザーは、道を知っていることにとても自信があったので、仲間の皆に自分の言うとおりに進んでほしいと思っていました。チコリーは、旅の最後を心配するのではなく、仲間が足を痛めてはいないか、疲れてはいないか、十分に食事をとっているかどうかをとても心配しました。セラトーは、自分の判断にあまり自信がなく、自分たちの進んでいる道が間違っていないのを確信するために、全部の道を試したいと思いました。また、おとなしいセントーリーは、皆の負担を軽くしたいと思ったので、進んで荷物を運ぼうとしました。けれども、気弱なために、一番うるさく言ってくる人の荷物を運んで、本当に助けを必要としている人の荷物を運べませんでした。
ロック・ウォーターは、仲間を助けようとすっかり興奮して、皆を少し暗い気持ちにさせました。それはロック・ウォーターが、自分は正しい道を知っているのに、皆は間違っていると責めたからです。ヴヴァーベインも、行くべき道をよくわかっていたはずですが、少し自信がなくなっていました。それでも、森を出るたった一つの道について、長々と詳しく説明しました。インパチェンスも帰る道をよく知っていたのですが、自分よりゆっくりした人たちにイライラしていました。ウォーター・バイオレットは、前にも森を旅したことがあったので、正しい道を知っていました。けれども、それを少し自慢に思っていて、他の仲間が知らないのをばかにしているところがありました。ウォーター・バイオレットは、仲間を少し見下していました。
そうして、やっと、16人の仲間は全員、森を抜けることができました。
今や16人は、まだ森を旅したことのない人たちの良い導き手です。それは、彼らが森を抜け出る道があることや、森の暗闇も夜の闇に過ぎないことを知っているので、恐れることなく森を歩いて行けるからです。そして、旅を経験した16人の一人ひとりが、自分らしいやり方で学ぶべき課題について手本を示すことができます。
アグリモニーは、何も悩まず、元気に前進し、いつも冗談を言っています。ミムラスは、怖がらなくてもよいことに気づき、ロック・ローズは、一番暗い瞬間が心の平穏や落ち着いた勇気をあらわすしるしでしかないことを示し、ゴースは、たとえ闇夜の中にいても、また朝日が昇れば前進できることを人々に伝えることができます。
オークは、とても強い風の中でもしっかりと立ち、スクレランサスは自信満々に歩み、クレマチスは森を抜けて旅が終わる時の喜びを見つめ、ゲンチアンは、難しいことや失敗することがあってもへこたれません。
ヘザーは、旅する一人ひとりが、自分らしいやり方で歩む必要があることを理解して、皆が目的を果たせることを示すために、黙って先頭を歩きます。チコリーは、いつでも人の力になるつもりで、頼まれた時にだけとても控えめに手を貸します。セラトーは、どこにもたどり着かない道などないことをよく理解し、セントーリーは、荷物を重いと感じている一番弱い人を助けます。
ロック・ウォーターは、非難するのではなく励ますことに専念し、ヴァーベインは、説き伏せるのではなく静かに道を指し示します。インパチェンスは、急ぐ必要などないことに気づいて、仲間が自分のペースで進めるよう、一番後ろの人たちとのんびり歩いています。そして、ウォーター・バイオレットは、人間というより天使のように、暖かい風のそよぎやきらきらした日の光の輝きのように、皆が楽しそうに旅しているのを喜び、幸せを祈りながら、仲間に囲まれて歩んでいます。
エドワード・バッチ著作集(エドワード・バッチ著・BAB出版)より引用