風のむこうに
2018.02.20 06:15
あれからもう何年経ったのだろう
多分、改めて数えるほど時間は経っていなくて
空いてしまった時間が悲しくて
新しい家族を迎えるということを
何度も 何度も 試みたけれど
いつも途中で泣いて逃げ出してしまう
きっとまだ心の準備も覚悟もできていなくて
わかっているのに焦がれることもやめられなくて
いつまでも思い出にしがみついて
後悔の念にとわわれ続けている
こんな広い空を見せてあげたかった
走っても走っても先が見えないほど広い大地に
放ってあげたかった
緑と風の会話だけに耳を傾けながら
名前を呼んで振り向いてほしかった
短い命の中でどれだけの世界を見せてあげられたのだろう
こんなことばかり考えて泣いてばかりだから
先に進むことができないんだろうな
でも
この気持ちを忘れることが先に進むということならば
私はここで立往生したってかまわない