死と向き合う
ブックレビユー
都内某医学部に通う6年生です。
臨床実習でベッドサイドに出たとき、末期がん患者さんの担当になったことがありました。
途中、状態が悪化してから担当医の先生にその患者さんには近づかないようにと言われ、カルテだけから日々の状態を知るといったことがありました。
実際、自分としてもベッドサイドに行っても何をすればいいのか分からず、先生の言葉に甘えてしまいました。
結局、最初の2、3日間お話をしただけで、その方は実習最終日の夜に亡くなりました。
今の医学部では治る病気に対しての知識ばかりで、治らない患者さんへの接し方を教えてくれる先生は少ないのが現状だと思います。
著者である小澤先生は、治らない患者さんに対して、医療従事者として何が出来るかを提案してくれています。
小澤先生のようなスーパードクターにはなかなかなれないと思いますが、そのような患者さんへ接する一つの武器となる知識だと思います。
もし、ターミナルの患者さんと接し何も出来なかった、何かしてあげたいと感じたことがあるなら、是非お勧めしたい本です。
看取りの現場では、答えることのできない問いを突き付けられます。「下の世話になるくらいなら、いっそ死にたい」「どうしてこんな目に合うの?」─そこでは説明も、励ましも、通用しません。
私たちにできるのは、相手の話を聴き、支えを見つけること。言葉を反復し、次の言葉を待つこと。
それは誠実に看取りと向き合ってきた在宅医がたどりついた、穏やかに看取るための方法です。
死を前にした人に、私たちにはできることがあります!
【目次】
序章 苦しむ人への援助と5つの課題
第1章 援助的コミュニケーション
第2章 相手の苦しみをキャッチする
第3章 相手の支えをキャッチする,強める
第4章 自らの支えを知る
第5章 援助を言葉にする―事例で学ぶ援助の実際
著者について
小澤 竹俊
Taketoshi OZAWA
1987年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。 1991年山形大学大学院医学研究科医学専攻博士課程修了。救命救急センター、農村医療に従事した後、94 年より横浜甦生病院内科・ホスピス勤務。 2006年めぐみ在宅クリニックを開院。
「ホスピスで学んだことを伝えたい」との思いから、2000年より学校を中心に「いのちの授業」を展開。一般向けの講演も数多く行う。
2015年、有志とともにエンドオブライフ・ケア協会を設立、理事就任。 多死時代に向け、人生の最終段階の人に対応できる人材育成に努めている。
看護師のためのアドラー心理学
人間関係を変える、心に勇気のひとしずく 折れそうな心、疲れた心への処方箋
――元気・活気・やる気・勇気が湧いてくる!
「完璧な看護師」よりも「幸せな看護師」に看護学校講師、看護師の実体験を踏まえ、看護師目線で悩みを解決!
*まずは、自分の心に「頑張っているね」の一言を
*短所を長所に変える「リフレーミング」
*あなたの1日、1年を変える「オセロの法則」
*「言葉」「イメージ」「行動」を味方につけて、なりたい自分になる ほか
第1章 アドラー心理学ってどんな心理学?
第2章 人間関係がラクになる! コミュニケーションの取り方《職場編》
第3章 人間関係がラクになる! コミュニケーションの取り方《患者編》
第4章 夢を実現するために、看護師としてモチベーションを高める
第5章 あなた自身とあなたの家族のための勇気づけ
第6章 人間関係をスムーズにする他者への勇気づけ
出版社からのコメント
アドラーは、フロイト、ユングと同時代を生き、西欧においては、心理学の3大巨頭としてフロイト、ユングと並び称されています。
「人間の悩みは、いつも“対人関係"から生まれる」と述べ、心を勇気で満たすことにより、言葉、行動、性格を変え、人間関係と人生を変える実践的な教えを説いています。
著者の1人である岩井氏は、アドラー心理学実践の第一人者で、アドラーに関する数々の著書を執筆しています。
看護師のジャンルでアドラー心理学本が未だ出ていないこと、10年前に比べ看護師が著しく疲弊し、元気がなくなったとの実感から、看護師に元気・活気・やる気・勇気を与えるために、本企画に賛同、本書執筆を引き受けてくれました。
執筆のメインは長谷静香氏が担当。長谷氏は元看護師で大学病院に10年間勤務し、退職後は子育て関連
のベビーサイン講師を経て、現在では勇気づけセミナー講師として個人や、行政・教育・医療機関・
企業向けの研修・講演を全国で開催するとともに、看護学校非常勤講師としても活躍中です。
自身の看護師としての実体験、看護学校の講師としての看護学生との交流から、看護師目線で看護師の
悩み(特に対人関係における悩み)に対し実践的な解決策――勇気づけを説いています。
具体的には、以下(目次参照)6章立てで、上司、同僚、部下との職場でのコミュニケーションの取り方、患者とのコミュニケーションの取り方、仕事におけるモチベーションの高め方、家族との関係性などについて、アドラー心理学に基づく対人関係における処方箋を詳しく述べています。
内容紹介
国内屈指のがん医療の専門家である國頭英夫医師による、待望の書籍が刊行いたしました。
本書の舞台は、日本赤十字看護大学の一年生ゼミ講義。ゼミのテーマは「コミュニケーション論」。
ここに集まった13 名の生徒たちが主役です。
がんの告知をどのように行うか。
治療の中止を伝える(Breaking Bad News)最善の方法はあるのか?
DNR(Do Not Resuscitate;心肺蘇生を行わないでください)オーダーを事前にとる根拠とは?
インフォームドコンセントは誰のために?
これらの「思い切り難しい問題」に対して、ついこの間まで高校生だった学生たちが考えた答え。
学生たちによる驚きの答えと、その姿を是非本書でご確認ください。
目次
第1 講 がんの告知̶̶何を伝えてはいけないか
第2 講 インフォームドコンセント̶̶医者というやっかいなパターナリズム的存在
第3 講 「がんの告知」実践編
第4 講 終末期におけるコミュニケーション̶̶医療者と患者のアブない関係
第5 講 DNR の限界とコミュニケーション̶̶どうする、どう考える
第6 講 信用と信頼のためのコミュニケーション・スキル
第7 講 死にゆく患者ひとと、どう話すか
課外授業 明智先生と考えるがんのコミュニケーション
著者について
國頭英夫(くにとう・ひでお) 日本赤十字社医療センター化学療法科 部長 1961 年鳥取県生まれ。1986 年東京大学医学部卒業。東京都立墨東病院救命救急セ ンター、横浜市立市民病院呼吸器科、国立がんセンター中央病院内科、三井記念 病院呼吸器内科などを経て現職。日本臨床腫瘍学会協議員・日本肺癌学会評議員。 これまでの著書に里見清一名義で『偽善の医療』(2009 年)、『衆愚の病理』(2013 年)、『医師の一分』(2014 年)、『医者と患者のコミュニケーション論』(2015 年、 すべて新潮新書)、『誰も教えてくれなかった癌臨床試験の正しい解釈』(中外医学 社、2011 年)など多数。