歌の感謝祭
G-clef Presents mov.36 : ♪非日常空間♪ Salon G-clef Concert 第12弾
2018/2/11(日・祝) 13:30~15:30
治療の奏功にも調子に乗らず
本番前日、それはそれは身体が軽く、あろうことか(w) W-High-C まで出る始末。だからと言って調子に乗って練習しまくって、翌日に響いては元も子もなくなる。土曜日は逸る気持ちをぐっと堪えて(w)、普段より念入りなアップと普段より控えめな実練習で切り上げた。
金曜の鍼治療では、演奏会直前仕様ということでちょっとでも不具合を感じるところは徹底的に攻めていただき、結果相当に身体が軽くなった。あとは睡眠を十二分に取ろうという作戦で、前日は21時半には就寝。残念ながら寝続けることは出来ず2・3回起きはしたが、それでも結果的に10時間ほどは睡眠が取れたお陰で、身体はそれなりに休められたのではないかと思う。
安定感が増した演奏
前日の豪雨も上がり、連休中日ながら10畳のリビングからはみ出るくらいの人数来て頂いた。全身状態は依然良く、杖もつかず伝い歩きもせず動き回れ、演奏自体も完璧とはいかないまでも、昨今の状態から比べるとかなり安定して歌えた。例の『出さない唱法』を始終意識し、たまに音が抜け切らず力みかけもしたが、今回は一瞬の不調に動じることもなく態勢を立て直すことが出来た。ちょっとは進歩したかな、やっとここまで来たかなという感である。「出さずとも響く」「自分は歌える」という事をやっと納得出来たらしい。所謂『行動認知療法』といったところか。
ピアノとの遣り取りも、普段なら「あぁ、今ズレてる…」とか「ちょっとテンポ遅いし…」とか気になったが最後、そのまま引き摺られて演奏に集中出来なくなりガタ崩れするところ、今回はちゃんと自分のペースを作り、持ち直し、維持し続けることが出来た。『指揮者は自分』という認知療法も功を奏したか。スローテンポで pp が超得意なピアニストだったので、その点でも大いに歌いやすかった。
MCして、ソプラノで歌って、テノールで歌って、またMCして…なんで、どうしてもポジションが戻ってしまう。本来は途中で喋らずソプラノで歌い続けておくべきなんだろうが、うちのお客様はMCを大変楽しみにされている。その姿勢がビシバシと感じられるのでこちらとしてもつい盛り盛りになってしまい、いつも『実演付きの音楽講座』さながらである。今回も歌よりMCが1・2割長かったが、最終的に皆さんの満足度は大変高く、結果的にこちらが勉強の機会をたくさんいただいている事になり、毎回有難い限りである。
肉体的負担は避けられない
最近はベルトもコルセットもせず歌っているので、それはそれは骨盤の痛いこと!!
装具を着けると楽にはなるが、その分余力を残さず出し切ってしまうので、平常心に戻った時(?!)の痛みが想像を絶する域になるのと、演奏に於いてもやはり力七分を意識したかったので、自分自身の身体で出来る範囲の演奏を心掛ける為にも普段から装具無しでの練習を重ねてきた。
結果的には良かったが、もう演奏途中からビシバシと骨盤が軋んで痛いの何の。しかしながら骨盤部“だけ”が痛いということは、バロメータとしてそれだけ身体の使い方が正しかったという結果でもある。ドツボに嵌ってさぁ大変な時は、演奏直後(ぃや演奏中から)腰よりも後頭部がガッチガチに筋張し、結果詰めた声しか出ず無駄に力任せになって失敗する。終演後2・3時間大人しく座っておれば、腰の痛みは徐々に引いてきた(実は横になるのも痛かった)。
それよりも今回は、演奏初っ端からずっと左下瞼が痙攣し続けており、途中譜面も見辛かった(って勿論殆ど見ゃせんが)。終わってからは眼の乾燥が酷く、やはり万事無事とはいかないらしい。まぁ無事を求められるレベルの身体でもなければ、やっている事も火事場の何とやらだから、当然と言えば当然なんだが。
課題も多いが幸先いいスタートに
ともあれ、何とか無事に終了することが出来た。そしてまた、唱歌への認識とロシア歌曲への認知を促すことも出来た。色んな事に対しての『気付き』を持っていただく機会になった。それが嬉しくてまたMCが盛り沢山になる。それを楽しみにまた来ていただく。
今シーズンのスタートとしては、まぁ悪くない本番であったかと思う。拙い部分も山ほどあれば、新たな課題もたくさん出来たが、見付けられたから善しとして。
常連の皆様、ご新規のお客様、ご来場ありがとうございました。
【当日のプログラム】
唱歌・童謡・昭和歌謡:----------
♪冬景色
曲:不詳
詩:不詳
♪かなりや
曲:成田為三
詩:西條八十
♪砂 山
曲:中山晋平
詩:北原白秋
♪春よ来い
曲:弘田龍太郎
詩:相馬御風
♪鞠と殿様
曲:中山晋平
詩:西条八十
♪かわいい魚屋さん
曲:山口保治
詩:加藤省吾
♪仲よし小道
曲:河村光陽
詩:三苫やすし
♪みかんの花咲く丘
曲:海沼実
詩:加藤省吾
日本歌曲:----------
♪あわて床屋
曲:山田耕筰
詩:北原白秋
♪砂山
曲:山田耕筰
詩:北原白秋
♪からたちの花
曲:山田耕筰
詩:北原白秋
♪この道
曲:山田耕筰
詩:北原白秋
伊太利亜古典歌曲:----------
♪Lasciatemi morire 死ぬままに放っておいて
曲:モンテヴェルディ
詩:リヌッチーニ
♪Intorno all'idol mio 私の偶像である人の周りに
曲:チェスティ
詩:チコニーニ
♪Le violette 菫
曲:スカルラッティ
詩:モレッリ
♪Star vicino そばに居ることは
曲:マンチャ
詩:不詳
独逸歌曲:----------
♪Frühlingsglaube 春の歓び
曲:フランツ・シューベルト
詩:ウーラント
♪Du bist wie eine Blume 君は花のように
曲:シューマン
詩:ハイネ
♪An die Nachtigall ナイチンゲールに寄せて
曲:ブラームス
詩:ヘルティ
♪Ach Lieb, ich muss nun scheiden ああ恋人よ、行かねばならない
曲:リヒャルト・シュトラウス
詩:フェリックス・ダーン
露西亜歌曲:---------
♪Жаворонок 雲雀
曲:グリンカ
詩:クーコリニク
♪На Сон Грядущий おやすみの前に
曲:ムーソルクスキィ
詩:ムーソルクスキィ
♪Колыбельная Песня 子守歌
曲:チャイコーフスキィ
詩:マイコフ
♪Не ветер, вея с высоты ... 風ではない
曲:リムスキィ=コルサコフ
詩:アレクセィ・トルストーィ
アンコール:----------
♪花
曲:瀧廉太郎
詩:武島羽衣
ピアニスト:島田 稲子