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昭和キッドの記憶のカケラ

鈍色<ニビイロ>の思い出(駄玩具素材:ブリキ編)

2018.02.12 14:24

ブリキの玩具といったら

今ではコレクターがたくさんいて

メーカー物で箱付きだったりすると

うん十万円もするものが多い。

有名メーカー物は買ってもらえない

貧しかった私の慰みとなっていたのが

駄菓子屋玩具だった。

写真はゼンマイ式のロボット、宇宙コマ、ロケット。

駄菓子屋の玩具にもブリキ製のもの結構あって

こちらの方が私にとって魅力的で思い入れがあるのだ

強がりいを言うようだが。


今日は

昔(おもに昭和40年前後)の駄菓子屋のブリキ玩具を紹介したい。

こちらは

乗り物いろいろ。

「連山」である。

太平洋戦争時代の日本海軍の重爆撃機。

試作機の段階で終戦になった幻の爆撃機で

プラモデルでもなかなか商品化されなかった。

それを

名もない駄玩具メーカーがやってくれましたよ。

安易に「0戦」や「隼」などとしない事が良い。

但し

デティールは実際の機体とは全く似つかわずだが。

「お見事!」

と心の中で叫んでしまうぐらい

ルーフの印刷が美しい。


当時は

ブリキ板に1色ずつ施す

手間がかかったスクリーン印刷だった

と想像できるが

この発色の良さで技術力の高さがわかる。

下町の匠の職人姿が目に浮かぶ。

続いては

バケツなど砂遊び、水遊び玩具。

バケツは日用品でもブリキ製の物が主流の時代。

ポリバケツはもう少し後の時代になる。


これも印刷がすばらしい。

土ふるいの中に

シャベルと砂型3種入りの砂遊びセット。

55円の値札が付いたまま約50年以上が経過している。

水遊び、砂遊び用のトレイだが

浦島太郎の図柄からイメージしながら

砂で固めた竜宮城なんかを作りたいところだ。


それにしても

ブリキのプリント柄は

独特の色合いに

さらに経年の若干の退色も重なって

金属ではあるが

何とも言えないあたたかさえも醸し出す。

いわゆるニビ色と言われる趣のある発色だ。

駄菓子屋玩具では

根強い人気の定番商品だった

ブリキのピストル。

平玉または巻き玉と込めて撃つと

パン!パンッ!!

と小気味よい乾いた音が特徴で

独特の火薬の臭いも記憶と同時に浮かんでくる。


西部劇や忍者部隊月光ごっこなどには欠かせない

使い勝手も良く演出効果抜群の必需品だった。

しかも

低価格(昭和40年前後で1丁20円~30円)で買えたので

貧困少年の頼もしい味方と言えた。


ブリキピストル単独記事にタイトルをつけるなら

「貧しさと切なさと心強さと」

となるだろう。(かつてのヒット曲の曲名みたいだが)

ブリキで錆びやすかったが水鉄砲のタイプもあった。

これは

一般的な玩具店でも扱っていたかもしれないが

玩具の品ぞろえを強化していた駄菓子屋であれば

店頭の一番いい場所に鎮座していたであろう。

引き金を引くと

「タンタンタン・・・」といった回転音とともに

フリント式(ライターでもよくつかわれている方式で

石と金属がこすれあって火花を出す仕様)

で銃身の中が鮮やかにスパークした。

本日最後は

バッジである。

これまた定番のくじ引き(バッジ当て5円引き80付)で

くじで当てた番号と台紙の同じ番号にあるバッジが貰えた。


まぼろし探偵やアラーの使者等のヒーロー物や

大相撲やプロ野球の選手、昆虫など

人気のモチーフで取り揃えられている。

当時の子供達が何に興味を持っていたかが読み取れる。

立体的に厚みがあるように見えるが

薄いブリキ板を型押しして

レリーフ状に盛り上げているだけだ。


なのでエッジは思いのほか鋭く

何気に指でこするとピッと切れる。

ピンも安全ピンでなくむき出しで

これも危険。

誰もが一度は

苦いおもいをしながらも

帽子や服に自慢げにつけたお洒落パーツだった。