タイプの違う上司・部下の付き合い方~スターウォーズ(パート2)~
Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。
夏休みもそろそろ終わり。
皆様は何か新しい映画をご覧になりましたか?
さて、本日は
「スターウォーズで見るタイプの違う上司・部下の付き合い方(パート2)」
について書きたいと思います。(ネタバレあり)
優秀な部下
以前、「タイプの違う上司・部下の付き合い方~スターウォーズ(パート1)~」で、
自由な「イエロー」の傾向を持つ「クワイ=ガン・ジン」と
調和を重んじる「グリーン」の傾向を持つ「オビ=ワン・ケノービ」
の間のコミュニケーションの難しさについて書きました。
今回は長じて師匠(マスター)となった「オビ=ワン・ケノービ」と
「アナキン=スカイウォーカー」との関係について書きたいと思います。
クワイ=ガン・ジンが「直感」でアナキンを連れてきて、
上層部の反対を押し切って「ジェダイ」の一員にしたことは前回書きました。
クワイ=ガンが闘いで早く亡くなってしまった後、
結局オビ=ワンはアナキンを弟子(パダワン)として育成することになります。
クワイ=ガンの「直感」は正しく、
アナキンはジェダイの素養で必要な「フォース」(「気」を操る力のようなもの)が非常に高い上、決断力と身体能力に長け、
闘う騎士である「ジェダイ」として大変高い能力を備えた若者に成長します。
優秀な弟子(パダワン)を持って、オビ=ワンはほっとしたかと思いきや、残念ながらそうはいきません。
すれ違い
前回も書きましたが、オビ=ワンは、
周囲の調和を気にかけ、考えて行動する人です。
一方成長したアナキンは自分で目的を決め、行動し、結果を出すタイプで、
あまり周囲の調和には興味がありません。
アナキンはどんどん行動し、結果を出しますが、
無鉄砲なことやルールを無視した行動もするため、トラブルも発生します。
師匠のオビ=ワンはアナキンの行動に気が気でなく
アナキンの行動を抑えようとしたり、口うるさくなったりしてきます。
アナキンの無鉄砲のせいで事故やトラブルが起きると、口うるささは更にエスカレート。
アナキンはオビ=ワンの態度を煙たく感じることが多くなり、
「マスターは僕を評価していないんだ」と反発することが増えていきます。
また、オビ=ワンを決断力の無い弱気な師匠だと思い始めます。
アナキンのルール無視は局地に達し、禁止されている結婚をし、密かに子供をもうけます。
オビ=ワンはそれを一切知らないままです。
オビ=ワンから実力を認められていないと思い、不満を持つアナキンは
最後に自分を「認めて」くれた悪のボスに傾倒し、
世紀の悪役、「ダースベーダ-」へと変貌して行ってしまうのです。
緑と赤
前回も書きましたが、オビ=ワンは緑が強いタイプです。
「親密」「受容力」「協力的」「共感的「順応性がある」
などのクオリティを強く持っている人が多く、
周囲の気持ちを汲んで調和を図ったり、
共感に依って人の気持ちをサポートしたりすることを
強みとして持っています。
一方、その特徴が「行き過ぎる」と、
受け身になったり、気を遣いすぎてノーと言えなかったりするというような
特徴が表れることがあります。
アナキンはルミナ・スパークのカラーで言うと、赤色が強いタイプです。
「主導力がある」「タフ」「競争心がある」「論理的」「目的意識が高い」
などのクオリティーを強く持っている人が多く、
多少の反対があっても目的を達成する突破力や実行力などを
強みとして持っています
一方、その特徴が「行き過ぎる」と、
支配的、勝利至上主義的になったり、衝突を求めたりするというような
特徴が表れることがあります。
違いを乗り越える
オビ=ワンから見ると、アナキンは頼もしい弟子である一方、
無鉄砲で危なっかしいと見えがちです。
アナキンから見ると、オビ=ワンは面倒見の良い師匠である一方、
はっきりせず、自分に仕事を任せてくれない頼りない上司に見えがちです。
上手く行っているときは良いのですが、こじれるとお互いに不信感がたまりがちです。
この場合は宇宙を悪の帝国にするというとんでもない結果を生み出してしまいました。
ではどうしたらいいか?
(これで宇宙が救えたかはわかりませんが・・・・。)
オビ=ワンが強く持つ緑ですが、、
実は緑は我慢を続けてストレスをため続けた末、
最後に大きく「キレる」という傾向を見せる場合があります。
オビ=ワンも「キレた」ための行動ではないですが、
最後にアナキンを半殺しにしてしまったため、
「ダースベーダー化」の引き金を引いてしまいます。
緑は心配しすぎて赤の部下に小出しに仕事を任せたり、心配で細かく干渉したり、
あまり説明せずに「守って上げるつもり」で情報を渡さなかったりします。
また、色々我慢していますが、肝心なことを相手の気持ちを考えすぎて言わない傾向があります。
同じ緑の傾向の強い部下にはとても効果的なこの方法が、
対局にある赤の部下から見ると不信感を生みます。
本当に言いたいことを隠していて、
「あなたを信頼していない」というサインに見えるからです。
若くてまだまだ指導が必要なアナキンに対して、完全に仕事を任せるのは難しいでしょう。
しかし、ある程度自由にやらせてみて、成功したときはしっかり認める。
失敗したときは変に我慢したり回りくどく言ったりせず、ハッキリ叱る。
「あなたが更に成長するためには」というスタンスでアドバイスしたり相談に乗ったりする、
というスタンスの方が効果的だったかもしれません。
また、時として自分の実力をガツンと見せるのも、効果的です。
過度な謙虚さも逆効果なのです。
アナキンは、心に迷いや不安がある時に
思い切ってオビ=ワンを信頼して相談していたら、
悪の道に落ちずにすんだかもしれません。
赤色が強い人は、自分の迷いや失敗を相手に話すことを「弱さ」と解釈しがちで、
あまり出そうとしない傾向があります。
しかし、緑の人はむしろ、
相談を持ちかけてくれたことを信頼感の証と受け止める傾向があり、
一緒に解決していくことで絆が深まった可能性があります。
ちなみに、
オビ=ワンはアナキンの2人の子供を守り、
最後には宇宙とアナキンの心を悪から救う道を作ります。
辛抱強く、共感を持ち続ける緑の真の強さは
長いタイムスパンの中で成功を作り出すのかもしれません。