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MAGIC FUN FAIR

VOL.6 『カフェナギコバスキ』

2022.09.10 00:00

MAGIC FUN FAIRにまつわる方々をご紹介する、”Big Fat Cowboy Hat”

第6回目の今回の特集は美味しい自家焙煎コーヒーや

スコーン、ケーキをポップアップ時に届けてくれる

”Cafe nagykovacsi”、カフェナギコバスキさんです


「一度食べてみたかった!」と

ポップアップにいらしたお客様にも大人気のカフェナギコバスキさん。

たくさん伺います!


まずは‥ナギコバスキの始まりは…


福祉施設に長年勤めていたのですが、

障がいのある方とお菓子を作って販売する仕事でした。

体調を崩して辞めた後、自分にできることは何かと考えた時に、

お菓子を作ってみようという気持ちになりました。

後押ししてくれる知人や友人に恵まれ、今に至っています。


カフェナギコバスキは今流行りのワンオペです。

それで、つまらない、きつい、行き届かないと思うことはありますが、圧倒的に自由です。

自分で仕事のやり方を決定できることが、

人間らしい人生を生きることに繋がると信じています。

世の中の変化のスピードは年々増加していきますが、

自分の気持ちは急がず、何に対してものんびり構えるようになりました。


最初に伺ったこの言葉は、ズシンと心に響き落涙。

結局は自分。

わかっているようでも、このごろ少し

この部分を気持ちの中でおざなりにしていた気がします。


ナギコバスキさんのお菓子を食べる時、美味しいに加えて海外へ思いを馳せたくなるような気持ちになります。

いろんな国の文化など、こだわりがあれば教えてほしいです。


どこの国や地域にも固有の歴史や文化があり、

それを大切に思う人たちに受け継がれています。

具体的には(海外でも日本でも)友達の実家の手料理が大好きなんです。

私が手料理を好きなことを知っている友達は自分の家に招いて、

お母さんの手料理で振る舞ってくれます。

一緒に作ってもらう機会もありました。

お母さんの「アジアから来た我が子の友達に美味しいモノでも作ってあげようか」

という表情。

これは言葉が通じなくても万国共通です。

そして押し並べて言えるのは、

手料理の技術は世界中で失われつつあるということ。

便利な生活が家庭料理を駆逐しているのです。

勿体無くて仕方ないと思います。

そうやって出会ったお菓子やお料理の世界を少しでも再現できたらいなと思っています。


もちろん生活にはそれぞれいろんな事情があります。

だからこそ、ナギコバスキさんのようなお菓子は必要だな、と

強く感じます。


【9月といえば‥】

勤め人だった頃は9月にまとまった休暇がとりやすく、

航空券やホテルも割安なので、9月は旅行の季節です。

韓国に行ったら秋夕(チェソク=旧暦のお盆)で

里帰りの車で高速道路は大渋滞、

デパートは秋夕セールがあっていて、ソンビョン(松餅)が美味しかったです。

台湾にも9月にいきましたが、中秋節で月餅が街中でたくさん売られていて、

いろんな種類を買って食べました。

初めてハンガリーに行ったのも9月でした。

夜のドナウ川の遊覧船に乗ったのですが、

その日だけなのか、寒くて死にそうでした。

その旅で食べさせてもらった友達のお母さんのレイテシュや

数々のハンガリーの伝統料理。

ハンガリー人の友達は

『ハンガリーの食事は好きだけど、重すぎて現代の生活には合わないと思う』

と話していたのが印象的でした。

この数年はコロナ禍でなかなか旅行にはいけませんが、また旅に出たいです。


更に広がるナギコバスキさんのお菓子が食べたいし、店主も旅に出たいです。

早く日常が戻りますように。


【これからのナギコバスキさん】

のんびり同じように続けていけたらと思います。

手作りの良さを伝えること

そして私が旅先で味わったお菓子や手料理のエッセンスを

伝えて行くことができたらと思います。

また、お菓子には材料が欠かせません。

素晴らしい農家さんの作った素晴らしい材料を使って

お菓子を作り続けたいです。


カフェナギコバスキ instagramcafenagykovacsi


MAGIC FUN FAIRでご紹介している品々、人々、なかなか全てお伝えできないことが多く、

このような形でじっくりとお伝えできならなあ、と

free paper 『Big Fat Cowboy Hat』、始めました。

十人十色な言葉を食べ尽くして、ビッグファットなカーボーイよろしく、

楽しくなれるといいな、と思っております。


ちなみに、

ナギコバスキさんの好きなお菓子は、手作りのお菓子。

お母様が作られていたというりんごケーキとマドレーヌ。

もう食べられないかと思うと、懐かしさが込み上げてくる、と。

だからでしょうか、

ナギコバスキさんの作るビーガンりんごケーキもとっても美味しいのです。

思い出って大切です。


ナギコバスキさんのインタビュー、とても深い話がありました。

ここからはWEB限定公開。


ナギコバスキさんといろんな国の文化のお話を伺った際に、


学生時代、ゼミの先生から

「人類の文明は漸近線状に上昇しており、これからは加速度が増しながら進んでいく」

という話を聞きました。

世界中の文化が今、猛スピードで変化していると実感しています。

また文化人類学の授業では「文化に良い悪いという基準はない」

という言葉が印象に残っています。

もちろん人権を踏み躙るような文化は否定されなければいけません。


このお話がとても興味深く、さらにお伺いしてみました。


ナギコバスキさんは、

文明の進化のスピードに不安を感じてしまう、と仰います。

本来のシンプルな生活などまでもが

猛スピードで進化する文明により、どんどん削られていくのではないか、と。


例えば

生まれた時から当たり前にコンビニエンスストアがあり、

そこがあれば,

ある程度の生活ができる。


とても便利です。

でも今後、選択肢がどんどん減り、

本来のシンプルな生活が無くなってなってしまうのではないか、という不安。


ある程度の情報は、ほぼほぼPCで知ることができる、

わざわざ飛行機に乗らなくても海外のなんとなくの空気感は掴める。


決してそれが悪いことだとも店主も思わないのですが、

この猛スピードの進化を見ていると、

本当に全てが無くなってしまうのではないか、

というナギコバスキさんの不安、めちゃくちゃ理解できます。


よく言われているように、

配信の時代、例えば気になるミュージシャンを深堀するのも

スマホがあるだけである程度わかってしまう。

ここに店主が猛烈に感じてしまうのが、

生きていく中で

思い出として残ることが圧倒的に少ないのではないか、

ということ。


抗って生きていきたい!とナギコバスキさんは笑って言います。

以前に印象的だったのが、

ナギコバスキさんはスマートフォンにしたのが比較的最近、とのことで

実際使用してinstagramを見てみると、

ハッシュタグでナギコバスキがたくさんあってびっくりしたー!と笑っていらしたこと。

これが自然なことだよなあ、と思ったものです。

手作りの良さを伝えていきたい、というシンプルな思いを

シンプルに体現し、多くに伝わり始めているナギコバスキさん、

MAGICでもきちんとお伝えしないとな、と思っております。


そして、何より本当に美味しいんですよ。


もうひとつ!

美味しいお話を伺いました。

秋田で食べた里芋。

秋田出身のお友達のご実家が農家で、

遊びに行った際に食べた里芋が人生最高の里芋だったとのこと。

そして、新潟出身の友達のお家では、

いくら入りのお雑煮を食べて感動!


その土地土地に美味しい食があり、

思い出ができていくのですね。


お話をたくさん伺えて、とっても嬉しかったです!


さて、

わたくし店主の感じる9月とは、

長くアパレルにいたせいか、もうすっかり秋の印象だけど、

現実はまだまだ暑い、罠に陥るような感覚に毎年陥ります。

そして、野音!初めて日比谷野音に行ったことを未だに鮮明に思い出します。

遠い昔の秋の夜、P-MODELを見に野音にいきました。

懐かしい。

                                        2022.08.10 magic fun fair KUMIYOSHIDA