最高のギアボックスを組み立てる
(本日長文です)
兎にも角にも、ミニロボの性能を左右するのはギアボックスです。
40%がギアボックス、30%がキックプレート、20%がドリブルプレート、あとその他
そんな感じです。
そろそろモデル末期ということもあってパーツの当たりハズレが大きくなってきたのではないかと心配になるところですが、
一つポイントとしてあるのは、
ミニロボの改造パーツは、”改造パーツ”ではあるものの、”改造のための材料”というイメージで捉えたほうがいい。 ということです。
組んで終わりとか、付け替えたら性能が出るとか、そうもいかない場合があります。
多少の加工を施すことで本来の性能が発揮できるようになります。
可能なら、複数個同時に買って当たりハズレを見極められれば最高です。
なので、今回はどうやったら完璧なギアボックスが組み立てられるのかという一例を紹介します。
(失敗の可能性もあるので自己責任で)
組立時に気をつけるポイントは
・引っかかりがないこと(スムーズであること)
これに尽きます。
まずはケースを用意します
ケースだけで嵌め合わせてみます。
この時点でガタがあるなら削ってぴったりになるように調整しておきます。
とても大事です。
2本のネジで左右を止めるだけなので、ネジ穴のある接合部分をほんの少しヤスリで削って調整します。
ケースがピッタリ嵌まることを確認したら次の作業に移ります。
ケースにモーターを取り付けます。
今回は問題の起きやすいモーターを下側に付けた場合について解説します。
上側に付けるのに比べて回転がスムーズになりにくいです。
モーター取り付け部分のナットを先に入れてからモーターをネジ止めします。
(後からだとナットが入りにくい)
そしてピニオンギアを取り付けます。
(押し込みすぎるとモーターに当たってしまうのでモーター側になる軸をほんの少し削っておくといいです)
(モーターの軸をダイヤモンドヤスリですこし傷を付けておくとピニオンギアが抜けにくくなります)
次に、1枚だけギアを入れて、ゆっくり手で回してみましょう。
(なぜ黒のギアにした、、見えない・・
回転が途中で窮屈になるポイントがないかよく確認します。
ギアのかみ合わせは常に少しのスキマ(バックラッシュ)が必要です。
きつきつでは性能が出ません。
大抵、どこかのポイントで回転が重くなります。
これはギアが真円でなかったり、中心の軸がぶれているために起こります。
これを見逃しては性能アップが望めないので、きつくなった部分をマジックでマークして
・ヤスリで山を低くする
・デザインナイフで谷を深くする
のどちらかでこのきつきつポイントをなくします。
山が潰れないように同じ形のまま加工するのはなかなか大変ですが、ここが性能向上への第一歩なので経験してうまくなるしかありません。
0.1mmレベルなので削り過ぎに要注意です。
大抵はピニオンギアを削ることで解決すると思います。
スムーズに回るようになったらもう1枚追加します。
この人が曲者です。
みんな同じギアですが、このギアを制するものがギアボックスを制します。
ポイントは2つ
・上側の中間ギアと接触する部分
・ピニオンギアと接触する部分
実は、ギアのかみ合わせ部分以外で、上記2箇所が接触します。
ピニオンギアに当たっている
ギアのかみ合わせ以外でギアの縁が接触してしまう
(回転数が違うので引っ掛かりは致命的)
特に、モーターが下にあるとピニオンギアとも接触するので無駄な抵抗が多くなり、速さにつながりません。
このギアは思い切って裏面を削って薄くしましょう。
裏側をよーーーーく見ると、ギアの内側に段差があるのがわかります。
中心の段差はそのままに、外側の段差とギアの山の縁の角を落としておきます。
この段差をなくす程度に1000番〜2000番のヤスリでつるつるにしておきます。
本来はギアのかみ合わせ面積は多いほうがいいのですが、ここは仕方がありません。
あと、ギア先端の裏面は表面に比べて角が立っているので、ここも引っかかりポイントです。
ヤスリで少し角を丸めておくと効果大です。
そして先程と同じようにゆっくり回して引っかかりがないか確認します。
すこしでもあれば削って引っかからないようにします。
クリアランスが0.1mm単位なのでわりとシビアです・・・
3枚目も同様にスムーズに回るか確認します。
何周も回して問題がないことを確認します。
正転逆転両方です。
最後にファイナルギアですが、
ワッシャーを入れることで軸のガタツキを多少抑えられます。
ワッシャーの厚さは0.4mmのものより0.3mmのほうが良さそうですが個体差があるのでスムーズに回るほうを選びましょう。
小さなワッシャーのほうがいい?
(外径が大きいとギアにあたって抵抗になる部分が増えてしまうので、小さいものを試しています)
まずはファイナルギアを嵌めて、軸を指で持ってまわして確認します。
うまくできていれば小学生の握力でもつまんで回すことができるくらいの重さになっているはずです。(たぶん)
硬かったり、周りにくい場合は、ギアのかみ合わせが悪いか、ギア同士がぶつかって回転を妨げている可能性が高いです。
一度タイヤを嵌めて回してみてもいいと思います。
問題なさそうなら、一旦ケースを付けて再度回転を確認します。
よどみなく回転すればOK!
早く回すと気づかないことが多いので、できるだけゆっくり手で回すと、急に引っかかったり力が必要だったりするポイントが出てきます。
そこが問題の箇所なので、よーーーーくギアを見て、引っかかる部分を削って対応します。
そして、このあとですが、
ケースを開いて、今組み立てたギアの位置を忘れないようにして一旦取り外し、
グリスアップして同じ場所に配置して再び組み立てます。
グリスは塗りすぎに注意しましょう。
これを左右2個分作ったら、基板につけて回してみましょう!
できるだけスロットルトリガーをゆっくり引きながら、極低速で動きを確認します。
ひっかりがないか、左右どちらかだけ回転が異なったりしないかよく見ます。
フルスロットルではほとんど違いが分からないので、低速での確認がお勧めです。
併せて車軸のブレも確認しておきましょう。
左右どちらかだけ大きくぶれている場合はファイナルギアを別のものに交換して再確認です。
これで100%本来の性能が出せるギアボックスの完成です!!
きっちり組めれば、トリム調整しなくてもまっすぐに走る爆速ミニロボの出来上がり!
#左右差をなくすのがこれまた難しかったりします
#いくつか作って相性のいい組み合わせを見つけるのも手です