『モンスターハンター』
皆大好きモンスターハンターの実写化である。
主演はミラ・ジョヴォヴィッチ、監督は『バイオハザード』の監督であることから分かる通り、『バイオハザード』である。
舞台はモンスターハンター:ワールド、冒頭当然のように現れる相棒の姿を見て、またこいつが足を引っ張るのだろうか。と思ったプレイヤーも多いだろう。足は引っ張らないので安心して欲しい。というか、メインキャラではなくモブキャラなので気にしなくてもいい。
相棒がメインをはらない「モンスターハンターワールド」とはこれいかに? という話ではあるが、そもそも主人公がハンターではない。ということを留保してもらいたい。
主演のミラ・ジョヴォヴィッチは現実世界の陸軍大尉で、チームの仲間と共に、モンスターハンターの世界に異世界転移してしまうのである。
チームの仲間たちはディアボロスに刺し殺され、ネルスキュラに卵を植えつけられる。植えつけるのか……卵を……。
モンスターがホラー系の演出にこる中、ひとり生き延びたミラ・ジョヴォヴィッチは現地人ハンターと出会い、喧嘩する。腕を縛って、喧嘩する。ゲームプレイしていたけどその宗教知らない……したあと喧嘩する。外に出て、喧嘩する。
なんかずっと人間VS人間の殺陣が展開される。モンスターを狩ってくれ。
現地のハンターはずっと現地語を喋り続ける。ミラ・ジョヴォヴィッチがチョコレートをあげると「ん? なんだこれは。良い匂いがするぞ、ふんふんふん。見たことがない黒いものだ。食べる? 食べるものなのか? 本当だろうな……なんだこれは! とても美味しいじゃないか! チョコレート? チョコレートというのかこれは!」みたいな反応をする。
文明に触れたことがない未開拓地の原住民みたいな扱いされているが、こいつら普通に現代化学兵器で傷をつけられなかった生き物を解体できる程度の技術力はあるし、ヘヴィーボウガンやガンランスとかいう謎武器をつくれるし、なんなら料理も「焼いて食う」レベルではないことはゲームをプレイしていれば分かる話ではないか。少なくとも包装されたチョコレートを見て、「なんだこれは!?」と驚くほどではないと思う。
多分ゲーム未プレイでつくったんじゃあないだろうか。と思いながら待っていると、長い長い人間の醜い争いが終わり、モンスターとの激闘に移り変わる。
ここのモンスターとの激闘に関しては、良いかな。という気持ちと、もっと大仰な感じが欲しかったなあ。とかもある。
あとディアボロスを誘いだすための樽が本当にただの樽だったのが寂しかった。思うじゃん、爆発するって。モンハンしてたら。
あとモンスターに向けた感想としては、なんていうか、モンスターにたかが人間を殺してほしくなかったし、ちまちま食ってほしくなかったな……。というのが正直な感想だ。だってリオレイアが人を食うんだよ。しかも1人ずつ探して。
モンスターに人を食べて欲しくない。お前は火を噴いて、人間程度を消滅させる存在であってほしかった。そんな感情が自分にあったのだと気づいたそんな映画だ。