re-conscious
2018.02.13 06:45
リ・コンシャスとは「生活の簡素さ」、それは、人間の生き方の問題であり、生き方に連なる芸術享受や芸術表現の問題と言えよう。
ワシントンのフリーア美術館所蔵 100年以上前の日本の楽焼きの作品がある。陶工がつまんだ指の跡が残っており、100年の間に 割れた形跡も残っている。修復した職人は 割れ目を隠すのではなく 金蒔絵を施して 割れ目を強調したのである。
楽焼における金継ぎと言う技法である。
割れたり欠けたりした陶磁器を漆(うるし)で接着し、継ぎ目に金や銀、白金などの粉を蒔(ま)いて飾る、日本独自の修理法で、修理後の継ぎ目を「景色」と称し、破損前と異なる趣を楽しむ。この茶碗は一度割れたことにより 作られた時より なお一層美しくなったのだ。 この割れ目は創造と破壊 コントロールと受け入れ 修復と 新しいものを作り出すこと 私たちは皆 その循環の中で生きているのだということを伝えている。
リ・コンシャスとは「生活の簡素さ」。人間の生き方の問題であり、「生活の簡素さ」とは生き方に連なる芸術享受や芸術表現の問題と言えよう。民衆、とりわけ手工芸職人に。芸術に関する「趣味」の問題を芸術の内部から単なる表現の問題として捉えず、「生活」という次元から根本的に問う態度を知らしめる必要がある。
「生活の簡素さ」とは人間の生き方の問題であり、「趣味の簡素さ」とは生き方に連なる芸術享受や芸術表現の問題であると言えよう。