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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

南北戦争6-北軍初戦失敗

2022.08.27 11:55

南部連合は首都をヴァージニア州リッチモンドに決めた。なんと両首都の間はわずか150㎞。1861年7月、リンカーン大統領はマクダウェル将軍に、リッチモンド正面攻撃を命じた。練度が行き届かないのは自明だったが、何と招集期限が切れかけていて、また1からやり直さなければならないところなのだ。

北軍3万5千人はほぼ素人で、将軍は陽動作戦を試みるもまるでうまくいかない。対する南軍は2万2千人で、7月21日にブルランの戦いが発生する。緒戦は、北軍の迂回作戦がなんとか成功し、マシューズヒルを制圧した。北軍有利の展開になり、将軍は勝利を確信した。

午後からの激戦地はその南のヘンリーハウスビル、そこへ北軍の青色の軍服の軍団が接近したが実は南軍、なんと当時制服を揃えることはできず、南軍の一部も合衆国陸軍の制服をそのまま着ていたのだ。不意をつかれた守備隊は追い散らされ、大砲を奪取されて南軍が有利になった。

行軍の疲れがある北軍は後退し、戦いは南軍の勝利となった。死傷者北軍約3千人、南軍2千人。この敗北で北部文人のビッグマウスは消し飛んだ。今度は南部マスコミがビッグマウスを吹く番だったが、南部もまたそのまま進軍する力はなかった。長期内戦の予感だけが残る。