シンボルツリーを囲むコートハウス
2013.03.31 03:00
H邸(埼玉県久喜市)/設計:田村貴彦
約80坪の敷地を前に、建て主様がイメージしたのは平屋の家。「日当たりがよくてゆとりのある敷地をうまく活かしたい」という希望通り、常緑樹と芝生が植えられた中庭を中心に光と風を取り込み、お子様が自由に走り回れるオープンな住空間となりました。
建て主様が1年半をかけてプランをまとめられ、完成したのは中央に中庭を据えたロの字型のプラン。近隣からプライバシーを守るため、敷地の外周に対しては閉鎖的に、その代わりに中庭に対しては4面すべてを開口部に。通路はまるで縁側のようにくつろげる場所になっています。
キッチンとダイニングはひと続きに。細長い吹き抜けで通風・採光を図り快適なリビングになっています。キッチン壁面の食器収納スペースは折り戸を閉めれば完全に隠せて見た目にもすっきり。
サッシを開ければ和室からLDK、中庭までが一体に。中庭には芝生と常緑樹を植えたほか、寝室の外にはモミジを並べた南の庭も設け、すべての部屋から常に植栽を眺められます。
本棚とデスクカウンターを造り付けた家族共用のスタディスペース。障子を開ければ和室からも見渡すことができます。
洗面室と浴室はガラスで仕切って広々とした空間に。玄関は靴箱を床から浮かせて設置して軽さを表現しています。ホール右手はLDK、奥はスタディスペースへと続きます。シンプルな外観も印象的です。
H邸 DATA
工 法:重量木骨(SE構法) 平屋建
竣工年月:2013年3月
敷地面積:262.24㎡
延床面積:116.14㎡
基本設計:半田 宜之
実施設計:田村 貴彦
施 工:株式会社参創ハウテック
撮 影:大槻 茂