緑に恵まれた都会の暮らし
W邸(東京都杉並区)/設計:田村貴彦
緑に囲まれた静かな敷地に、既存の植栽をなるべく損なわずに景観を楽しめる住まいを計画しました。
寝室や水廻り・納戸等は1階にまとめて、2階に広いLDKを配置、敷地の西側にある桜を眺められるように腰高窓とベンチを設え、リビングの南にも出窓を設けました。傾斜を活かした高窓からの通風や採光により、緑の景色とともに自然の光と風が感じられる空間となっています。
勾配天井により高さと変化を感じる2階のLDK。床材はウォールナットのフローリング、壁は白いクロスで仕上げ、落ち着きのある雰囲気に。ダイニングとリビングを天井の高さでさりげなくゾーニングしています。キッチンはekrea(エクレア)のオーダーキッチンを採用、高級家具の風格を漂わせる仕上げです。
敷地西側にある桜の樹を眺めるためのリビングの窓には、ベンチと肘掛けにもなる手摺を設置。室内からお花見ができます。
キッチン横の家事室は一番南にあって日当たりも良好、デスクも設置して奥様の書斎となっています。洗面コーナーの横にもわずかな隙間を利用して窓を設け、採光と通風を図りました。
南向きの高窓からは効果的に光を採り入れることができ、上昇する室内の空気を排出させて室内の快適さを実現しました。
1階にある寝室は壁のカラーを高さで色分けし、落ち着いた配色でリラックスして過ごせる空間となっています。
玄関ホールからもっとも近い場所にご主人様の書斎を配置。1階は静かなプライベートフロアになっています。
玄関ホールにも緑を眺められる地窓を設え、やや暗めの照明にすることでこの緑の窓を引き立てています。
1階部分の外壁にはガラス質の骨材を主成分とする左官材を採用し、陰影豊かに仕上げています。
W邸 DATA
工 法:重量木骨(SE構法) 2階建
竣工年月:2016年11月
敷地面積:123.76㎡
延床面積:90.26㎡
設 計:田村 貴彦
施 工:株式会社参創ハウテック
撮 影:大槻 茂
「満足度120%の家づくり」(別冊住まいの設計/扶桑社刊)に掲載されました。