「宇田川源流」【現代陰謀説】 プーチン大統領の側近の娘が爆死するという「ロシアの国内事情」
「宇田川源流」【現代陰謀説】 プーチン大統領の側近の娘が爆死するという「ロシアの国内事情」
毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現代に実際に動いている陰謀を解明したうえで、その内容を、日本で見ることのできるニュースなどの中にある端緒を読み取り、そのうえで、しっかりとした対処方法を身に着けることが、日本の人々にとって最も重要なスキルなのではないかと思う。そのために、そのスキルを身に着けるための練習として、このブログをうまく活用していただきたいという思いで連載をしている。
なおここで言う陰謀説は、日本で言う陰謀論とは異なるものであると、私自身自負している。読む人から見ればエビデンスもなければ立証もない、ある意味で「ヒューミント情報」しかない内容では、ここで主張しエチルことも信憑性が疑わしい。ある意味でサブカルチャーとかオカルトといわれる内容と変わらなくなってしまうのだ。もちろんそうならないように考えてやるのであるが、ある意味で仕方がない。
さて今回の事件は、プーチン大統領の「頭脳」と呼ばれる思想家アレクサンドル・ドゥギン氏の乗用車が爆発し、29歳の娘が死亡した事件である。当然に、この内容が「普通」であるはずがない。考えるべきものではなく、暗殺であるということは間違いがない。ある意味で、テロであることは何も言わなくてもよくわかるのである。
このような問題は、「誰が」「何のために」という二つ、そして、その二つの結果「指し示す未来」は何かということを考えなければならない。そしてその中において、その内容を解明するためには、様々な内容を検討し、最も合理的な状況を先入観なく判断して憑かなければならないのである。そのことをしなければ、真相は闇の中に入ってしまい、そのために、陰謀などは見えなくなってしまうということなのだ。
さて、その内容をしっかりと見ることを考えるということになる。今回もドゥギンの娘の獏氏について考えてみる必要があるのではないか。
爆死 "反プーチン"組織関与?
タス通信によると、ロシアの情報機関「連邦保安局」(FSB)は22日、プーチン露政権の外交政策に一定の影響を与えたとされる思想家アレクサンドル・ドゥギン氏の乗用車が爆発し、29歳の娘が死亡した事件について、容疑者を、ウクライナ情報機関の女性工作員と特定したと主張した。
ウクライナ大統領府顧問は22日、関与を全面否定した。FSBは工作員は7月23日に娘とともにロシアに入国し、事件後にエストニアに逃走したとしている。露外務省報道官は21日、ウクライナの関与が特定されれば「ウクライナ国家のテロ政策」について議論する必要性を訴えていた。
FSBの説明は、ロシアの「テロ支援国家」指定を米欧に働きかけるウクライナの動きを意識している可能性がある。
一方、プーチン政権が事件に何らかの形で関与した可能性も取りざたされている。ウクライナ侵略作戦が思うように進まない中、政権は反戦運動だけでなく、過大な戦果を期待する愛国主義の過熱も懸念していると指摘されているためだ。
また、プーチン政権を批判し、ウクライナに退避しているロシアの元下院議員は21日、SNSで、プーチン政権の転覆を目指す露国内の地下組織が関与したと指摘した。「国民共和国軍」を名乗る組織の犯行だといい、ウクライナ侵略に抗議する露国内での抵抗運動の一環だったと説明した。
2022年08月22日 21時50分 読売新聞
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12213-1824653/
さて、この事件にはいくつかの疑問があるが、その前に上記の記事を考えてみよう。プーチン大統領はこの事件に関しても「ウクライナの関与がある」と発表した。もちろんその内容を否定することはできないが、あまり現実的ではないということになる。ウクライナは工作員を派遣しそれを運用する余裕があるのかということになる。もちろん、数名の優秀な人物がいれば可能であるが、残念ながら、そこまで優秀な人材があるとは思えない。優秀な人材がいないのではなく、優秀な人材がいれば、戦争の方に駆り出しているはずだからであろう。
ということで、まずは目的から考えてみよう。目的を考えれば「プーチン政権への圧力」であり「プーチン政権の転覆」を行うということまで考えているとは思えない。つまり「プーチンを殺す」のであれば、初めからプーチンを狙うはずであり、その周辺人物を狙ういうことは、プーチンに何らかのメッセージを与えるということを目指しているか、あるいはドゥギン氏が、その首謀者であると考えたということであろう。少なくとも娘を狙ったのではなく、ドゥギン氏を目羅ったと考えれば、当然にそのような解釈になるということになろう。
ではドゥギン氏とはどういう人物か。1962年1月7日、ソ連軍参謀本部情報総局(GRU)の中将の父親と、医師の母親の子として生まれ、、ロシアの政治活動家、地政学者、政治思想家、哲学者。自由民主主義、資本主義、個人主義、グローバリゼーションなど西側諸国のリベラルな価値や理念を強く批判・攻撃し、20世紀に衰退してしまった共産主義とファシズム、21世紀に標準化した自由主義に代わる第四の政治的理論としてネオ・ユーラシア主義を主張する。現在のプーチン大統領が主張する「NATO黒幕」という思考の、中心的思想家であるといえる。
つまりその思想家を殺すことによって、プーチン大統領の理論武装を排除し、同時にその理論を失うことによって「ロシアのウクライナ侵攻に関する大義名分を失わせる」ということを意味しているのではないかと考えられる。プーチンそのものを狙うのであれば、プーチンを狙であろうし、またその娘もシベリア方面で確認されているのであるから、今回の内容は「プーチンそのものに戦争を止めさせる」ということに特化されたものである。同時に、「NATO黒幕説」であるということは、ウクライナ戦争ではなく「NATOと敵対すること」ということに危惧を抱いている者の行為であるということが明らかであり、ウクライナだけに特化したものではない。
このように考えると「NATOのどこかの国」と「ロシア国内の権力構造に詳しいロシア内部」ということ我明らかになって来るのであろう。つまりプーチンの近くに既に暗殺の手が迫っており、同時に、プーチンではなく、プーチンそのものを生かして変えてゆくということを考えているということを企画したと考える。
さて、このように書くと、「何故プーチンを狙わないのか」ということになる。しかし、それは簡単なもので、例えばフセインがいなくなった後のイラクはどうなったか、ということを考えれば、現在の支持率を持ってなおかつ海外と戦争をしているロシアにおいて、プーチンという「頭」を失うことは、混乱を招く恐れがある。混乱をすることは、その混乱の影響がロシア国内から、中央アジア・ヨーロッパに広がることになり、まさに、全体の混乱につながる。ロシア国内の権力構造に詳しいロシアの内部の人が絡んでいるというのは、まさにロシア国内の混乱を避けるということに他ならないので、そのような意味からプーチンを狙わなかったことから、このような犯人像が浮かび上がるのである。
さて、では、「ドゥギン氏ではなく、その娘が殺された」ということに関して少し検証をしてみよう。これが偶然であるということではなく「直前にドゥギン氏は車を乗り換えた」という情報があることから、ドゥギン氏はなんらかの理由で自分が狙われていることを知っていたということになろう。つまり、ある意味で情報がプーチン側に漏れているということを示唆する。もちろん、娘を見殺しにしたということではあるまいが、娘はそのようなことを気にしない人であったのだろう。しかし、ある程度分かっていながら娘をその車に乗せてしまうということは「半信半疑」であったということになる。その代償が娘の命であったということになる。逆に言えば、今後警戒心は強くなるということを意味している。
いずれにせよ、クレムリンを中心に情報が錯綜するようになり、様々な話が出るのであろう。この「疑心暗鬼」が、別な陰謀を生む土台になるのだ。