千葉県市原市の特別支援学校の見学をしてまいりました。
ご縁を頂き、千葉県の木更津法人会富津支部の研修会にお邪魔し、企業様と富津市職員の方、地域の支援機関の方とともに、障害のある高校生を受け入れている特別支援学校の見学をさせて頂きました。
知的障害のある方を受け入れていて、入学するには自力で通学できることが条件となりますが、2つの専門コースを設け、一定の長い時間を技能訓練に当てている学校でした。就職率もかなり良い学校です。
農業、清掃等の現業や、事務系の技能訓練の様子を拝見させて頂きましたが、農業については広い敷地を利用した畑で作業されていて、一緒に見学した農業関係の方も感心されていました。
清掃についても、築30年以上の校舎なのに床がキレイで、それを保つためのプロの技術を身に付けているそうです。
事務系についても、生徒さんの昼食のパンなどをお店に発注し、集金もするなど、実際にお金を動かしていました。
何かの形で作業ができればいい、というものでもなく、プロと同じ技術を学んで社会に送り出す学校の心意気が伝わってきました。
高い就職率の評判を受けて、千葉県内のあちこちから生徒さんが集まっていて、中には2時間近くかけて通学する生徒さんもいらっしゃるようです。就職したいというご本人や親御さんの気持ちの強さも伝わりました。
今回は企業様向けに、実際に障害のある人のことを知ること、会うことを目的としていました。学校を後にした意見交換会でも、今まで知らなかったけれど、健常者と同じように頑張っている、健常者よりもきめ細やかに作業をされているという意見も出ていました。やはり、実際に会ってみないとわからないし、不安点も変わらないままです。企業は何かの形で実際に障害者の方と会って今まで持っていたイメージを変えていくことが大切だと思いますし、不安点が解消できれば障害者の採用に向けて一歩先に進むことができると思います。
特別支援学校を卒業した生徒さんの中には、千葉の南の地域から都内の会社まで2時間以上かけて通勤する方もいらっしゃいます。それに対し、通勤に時間がかかり、帰りが遅くなると生活が心配という支援機関の方のご意見もありました。地域で育てた人は、できるだけ地域で働いて活躍してもらい、地域が盛り上がるというのは、その地域で生活する方たちの願いでもあると思います。
ご本人にも企業にも、地域にもプラスになってくれたら、と切に思いました。
切り出し作業中心の障害者雇用でなく、自分の得意を仕事にしたいという障害者本人のニーズがある中、最初に私が言いだしたときは「そんなの無理」、2年前あたりから「難しいよね」、去年の後半からは「大事だけど、難しいよね」と変わっていった言葉。
私の考えに理解してくれる人と会うために九州まで行っていましたが、近い地域でも最近は会えるようなって嬉しい限りです。