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フェスボルタ文藝部

明日、春が来たら(山内てっぺい)

2018.02.14 17:36

背番号88!八十八で米!!

小説以外書くの久々だけどちゃんと1行目のあいさつは予測変換に残ってました。意外とできるなこのノートPC。山内てっぺいです。


今朝(日付変わってるからややこしいけど14日の朝6時ごろ)ラジオからある曲が流れてきた。松たか子「明日、春が来たら」という曲はなぜか僕を泣かせてくる。マツコ・デラックスの言うところの「毎年春になるとシールを集めずに白い皿をもらえる女」が歌うあの歌がなぜ僕を泣かせてくるのだろう。

いつだったか母に「松たか子のあの曲は素晴らしいよね。何回聞いても泣きそうになっちゃう。なんか胸がキューってなるというか。」というと「あんたそれ小学校か中学校いっきょったときもよったわ(訳:あなたはその発言を小学生か中学生の時もしていましたよ)」と言われた。小学生の時に言った記憶はないがとりあえずそれぐらい大好きな曲なのだ。

別に松たか子大好きな両親に囲まれて松たか子のアルバムが全部あっていつでも松たか子がそばにあってパンについてるシールを必死こいて集めて白い皿をもらうような家で育ったわけではない。多分テレビかラジオから流れてきたのを聞いて曲名もわからず泣きそうになり好きになったのだ。あの歌声、歌詞、メロディー。どれが欠けてもいけない。なんであの曲はあんな泣きそうになるの!?

アナ雪ブームでもう聞いた回数で白い皿がもらえるんじゃないかと思うぐらいどこででも聞いたありのままな曲はいい曲だし松たか子節が全開だし素晴らしいなとは思うけど泣きそうになることはなかった。胸になんかキューっと来ない。やっぱり「明日、春が来たら」だけが僕の心をしめつけて泣かせようとしてくる。だいたい野球部の男に恋してた女の歌詞なんて全然共感できない。そんな女に何度傷つけられたことだろうか。

あれは中学2年の多分夏だった。クラスの女の子、多分帰宅部と仲良くなった。給食の時間に同じ班で僕がちょっと冗談を言うとケラケラ笑ってくれるいい子だった。その笑顔のためにくだらないことばっかり言っていた。勘違いチェリーボーイだった僕は「これは俺に気があるな」とか思っていた。そんなある日の放課後、野球部のマサシ(仮名)と2人で教室を出るとあの女の子がいた。どちらかを待っていたようだ。まぁ吹奏楽部の目立たない勘違いチェリーボーイを待っているのは宿題の提出をさぼった国語の担当教員ぐらいしかいないわけで、もちろんその子はマサシ(仮名)を待っていて告白をしていた。らしい。校門の前で会ってから聞いた話だがそれは2度目の告白で「前回も断ったんだけどなぁ」とやっぱり野球部の男は余裕がありますね。腹立ちますね。こうして告白する前に僕は失恋したわけです。その後中3になった時、その子は僕を好きになったらしく結構いい感じになったけど付き合う直前にこれまた野球部の飯沼(本名)に「あいつら付き合ってるんだぜ」とどこぞの春よろしく誰も興味ない情報を言いふらしてくれたおかげで「みんなにバレたからもう付き合えない」となんとも中学生らしい理由でフラれ、その2か月後その子は飯沼(本名)に告白をしに行くというもう当時の僕の精神をズッタズタにして長かった恋の物語が終わるわけです。僕の恋愛はことごとく野球部に邪魔されてきました。

大好きなテナーサックスを手に古い校舎の3階にある音楽室の廊下の窓からグラウンドを見るといつも汗と泥にまみれた綺麗な野球部がみんなの視線を自分のものにしている。


走る君を見てた

白いボール きらきら

放物線描いて 

記憶の奥へ飛んだ


他の月より短い2月はもう半ばに差し掛かった。いつ春が来てもおかしくないのだ。

明日、春が来たら

僕は今会いたい君がいる

あの日の僕の屍を超えた僕には今


会いたいひとがいる