今も残るマリー=アントワネットの影響
よみうりカルチャー横浜「マリー=アントワネットを探して」第4回。
今日のテーマはファッションでした。
王太子妃時代のマリー=アントワネットは野暮ったかったともいわれますが、モード商のローズ・ベルタン、髪結い師のレオナールと出会ってからのマリー=アントワネットは、時代をリードするファッショニスタへと変貌しました。
元々センスの良いマリー=アントワネットに、アーティスティックなデザイナーとヘアメイクという最強のチームは、流行のサイクルも変えてしまいます。
それまでは1つの流行が数年、少しの変化を遂げながら数十年と続いたものが、散歩のために短くなったドレス丈、世情を反映したスカート部分のデザイン、自然を意識したモスリンのシュミーズ・ドレスなど、マリー=アントワネットの感性とローズ・ベルタンのアイディアは目まぐるしく流行を生み出しました。
髪型も、戯曲やオペラからアイディアを得たケサコやイフィゲニア風髪型、個人のストーリーを髪飾りに表現するセンチメンタル・プーフ、海軍の戦勝を祝う帆船の飾り、自然なドレスに合う子供風髪型など、時代や個性を生かしたスタイルが作り出されていきます。
母になる時、マタニティー・ドレスを着たのもマリー=アントワネットでした。
子供たちと描かれたアントワネットの落ち着いた雰囲気も魅力的です。
現代にもマリー=アントワネットの影響は大きく、最近もMAX & Co.の「ベルサイユのばら」コラボレーションが発表されたばかり。
アニメのプリントだけでなく、フリルやボリュームあるディテールに18世紀らしさを表現したコレクションでした。
ハイファッション、スポーティブファッションにもマリー=アントワネットにインスパイアされたコレクションがあります。
クリスチャン・ディオールはヴェルサイユでコレクションを発表したこともありますが、プティ・トリアノンの王妃の館の修復事業へ資金提供をしています。
マリー=アントワネットが亡くなって229年。
今でもマリー=アントワネットはファッション・アイコンとして生きています。