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都心部・品川地下鉄構想について

2022.09.18 00:00

1.はじめに

 こんにちは。高校一年の**です。早いもので浅野での生活ももう 3 年が経過し、文化祭号も残り 2 回となりました。

 さて、今回の研究は東京都港区の品川駅と白金高輪駅を結ぶ最近話題の都心部・品川地下鉄構想についてです。前回に続いての現在構想中の路線に関する研究となります。

 つたない文章ではありますが、最後までお読みいただければ幸いです。よろしくお願いします。

2.東京メトロ南北線について

 まずは本題に入る前に、この計画と大きな関係がある東京メトロ南北線について説明します。

 東京メトロ南北線は東京都品川区の目黒駅から官庁街として有名な永田町駅や東京ドームに近接する後楽園駅などを経由して北区の赤羽岩淵駅までを結ぶ路線です。目黒駅からは東急目黒線に乗り入れて日吉駅まで、赤羽岩淵駅からは埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線に乗り入れて浦和美園駅まで直通運転しているほか、2023 年 3 月からは相鉄新横浜線・東急新横浜線の開業に伴い相鉄線との直通運転も開始される予定です。

 また、目黒駅~白金高輪駅は都営地下鉄三田線との共用区間となっています。三田線は目黒駅と板橋区の西高島平駅までを結び、南北線と同様に東急目黒線との直通運転を行っています。

東京メトロ南北線と直通各線の路線図(主要駅のみ)

東京メトロ南北線で運用される 9000 系


3.都心部・品川地下鉄構想について

 次に、この計画の概要について説明します。「都心部・品川地下鉄構想」という名前は聞きなれないかもしれませんが、一般的には「南北線延伸」などとして説明されていることが多いです。なお、この研究ではこれを以下「品川地下鉄」と称することとします。

 この計画は、南北線と三田線が接続する白金高輪駅から分岐して品川駅までを結ぶ計画で、途中駅は設けられない予定です。毎時 12 本ずつ運行され、南北線と三田線から朝夕はそれぞれ6 本ずつ、日中は南北線から 8 本、三田線から 4 本が直通する予定です。事業主体は東京メトロとなっています。2022 年 3 月 28 日付で事業認可され、開業は 2030 年代を目指しています。

品川地下鉄のルート(太線)

細線は既存の南北線・三田線、点線は環状 4 号の計画ルート (地理院地図の画像を加工)

 ルートについては既存の引上線を活用することと、2032 年度の開通に向けて事業中の環状 4号線(白金台区間・高輪区間)の地下を最大限活用することから、図のように白金高輪駅から大回りして品川駅高輪口に向かうルートがとられています。また、ルートの途中で既存の白金台駅(東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線)と高輪台駅(都営地下鉄浅草線)付近の地下を通過しますが、いずれも駅は設けられない予定です。

 白金高輪駅~品川駅は約 4 分で結ばれると見込まれています。

現在の環状 4 号線(外苑西通り)の終点となっている白金台交差点

画像奥のドラッグストアなどがある方向に延伸される予定

南北線延伸の起点となる白金高輪駅 (左)

大規模な再開発が計画されている品川駅高輪口(右)


4.計画のメリット

・品川駅へのアクセスが向上する

 品川駅は、山手線・東海道線などの JR 線のほか、東海道新幹線や羽田空港アクセスにも便利な京急線が乗り入れる利便性の高い駅です。また、現在再開発が進んでいるほか、将来的にはリニア中央新幹線の始発駅にもなる予定となっていて、さらに利便性が向上することが予想されますが、今のところ都営浅草線と直通運転を行う京急線を除いて地下鉄は乗り入れていません。そのため六本木や大手町などのビジネス街や永田町などの官公庁街へのアクセスが悪くなっていますが、この路線を建設することでそれが改善されます。

・短区間の延伸でよい

 この延伸区間の路線延長は約 2.8km※となっています。これは下の表からもわかるように近年の首都圏における他の新線の計画と比較してもかなり短いものとなっていて、事業費も比較的安く抑えることができます。

※現在すでに完成済みの引き上げ線部分も含む。

5.計画の課題

①誤乗が多発する恐れがある

 上の図は白金高輪駅の現在の配線図です。中央の 2 本の引き上げ線がそのまま品川方面延伸に使用されます。この図からわかるように、現在赤羽岩淵方面の列車と西高島平方面の列車では使用するホームが分けられているためある程度の誤乗を防いでいますが、目黒方面の列車と品川方面の列車では同様にホームを分けることができません。

②南北線~目黒線の移動が不便になる

 先述の通り品川地下鉄では日中、毎時南北線から 8 本、三田線から 4 本の計 12 本の運行が予定されています。これに伴い、目黒線への直通列車は三田線からの列車の比率が高くなることが予想されます。現在は南北線・三田線ともに目黒線直通が 6 本、白金高輪駅折り返しが 4 本となっているため、開業後は南北線~目黒線の本数が減少し、白金高輪駅での乗り換えが必要な列車が増えることが予想されます。


6.改善策

①誤乗が多発する恐れがある→アナウンスなどを徹底する

 このような事象は東京メトロでは丸ノ内線中野坂上駅や、有楽町線・副都心線小竹向原駅などですでに発生しています。

 たとえば中野坂上駅では、同じ 1 番線から荻窪方面に向かう列車と方南町方面に向かう列車(池袋方面からの直通列車のみ)が発車しています。これについては、中野坂上駅停車中の車内で以下のような放送が流されています。



この電車は、荻窪行きです。次は、新中野に止まります。方南町方面はお乗換えです。

This train is bound for Ogikubo. The next stop is Shin-nakano. Passengers heading a

direction of Honancho, please change here.

(荻窪行きの場合、方南町行きでも同様の放送がある)



 このような放送を開業後の南北線にも導入したうえで、三田線からの列車にも同様の放送を追加するべきだと思います。また、開業直後は混乱も大きくなることが予想されるため、このような自動放送に加えて駅員や運転士が肉声で案内する必要もあると思います。

②南北線~目黒線の移動が不便になる→白金高輪駅での接続を改善する

 現在、日中のダイヤでは、南北線・三田線ともに 6 分間隔の毎時 10 本が運行されていて、「三田線が到着→3 分後に南北線が到着→3 分後に三田線が到着...」を繰り返すダイヤとなっています。このため、白金高輪駅で乗り換えが必要な場合は必ず 3 分ほど待つ必要が生じています。これを改善し、両線がほぼ同時に到着するようにすればある程度の利便性が確保できると思います。

 ただし、直通先の東急目黒線などのダイヤを考慮しながらダイヤを作成する必要があるため、必ずしも上手くいくとは限りませんが、可能な限り乗り継ぎ時間を短縮するべきだと思います。

7.まとめ

①誤乗対策のため、自動放送によるアナウンスを徹底する。また、開業直後は混乱が見込まれるため、駅員や運転士の肉声放送によっても対応する。

②南北線~目黒線の列車は減便されることが予想されるが、白金高輪駅での乗り継ぎ時間を短縮するようにダイヤを組むことで、利便性を確保する。

8.おわりに

 いかがでしたでしょうか。相変わらず文才は上がらず、読みづらい文章となってしまいました。

 さて、この文化祭が終われば自分たちが最高学年となります。まだ自覚はなく、1 年間やっていけるのか不安は多いですが、とりあえず自分にできることをしたいと思っています。

 最後に、ここまで読んでくださった皆さん及び校閲・編集など研究の完成に協力してくださった皆さん、

ありがとうございました!

9.参考文献

・国土交通省

https://www.mlit.go.jp/

・東京都建設局

https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/

・東京メトロ

https://www.tokyometro.jp/index.html

・鉄道計画データベース

https://railproject.tabiris.com/

・乗り物ニュース

https://railproject.tabiris.com/

・東京新聞

https://www.tokyo-np.co.jp/

・配線略図.net

https://www.haisenryakuzu.net/

おことわり:Web公開のため一部表現を変更させていただきました。掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とは若干異なる場合があります。