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guminolamp

内藤靴店のこと

2018.02.20 03:10

ギャラリーから、歩いて5分もかからないくらいの場所に、ゆったりと時間が流れているような、お店を見つけました。年季の入った小さなショーウィンドウのガラスは、綺麗に磨かれて沢山の靴が並べられている。

かかとは低め、使い勝手の良さそうな素材、それにオシャレ心もピッタリ揃った靴。その反対側には、小学校で履いていたのに似ている、うわぐつなどが。

きっとここのお客さんは、近くの小学校の学生さんや、年輩のおしゃれな女性かしら、そんな想像が膨らんでいました。

ショーウィンドウのすぐ横にある開き戸をおずおずと開けて、「おはようございます。」と叫ぶと、奥から「はーい」と声が。

ゆっくりと出てこられたのは、

ほほえみ顔の女性でした。

長靴を探していることを話すと、

「男性用しかなくてね〜、サイズは?うーん、ちょっと大きいかしらね、中敷のフェルトを入れたらどうかな?」そう言いながら、長靴とフェルトの中敷を出してくれました。

中敷は、随分と大きいサイズで、あぁ、これは大きすぎるなぁ、と考えていると、「これはね、自分のちょうどいいサイズに切って使うのよ。少しだけ大き目に切って合わせた方が、履いてるうちにちょうどよくなるからね。」と教えてもらい、お借りしたハサミでフェルトを切り、長靴に敷き込んで見ました。そっと足を入れてみると、フェルトがふわふわ温かくて、大きめだった長靴の大きさもぴったりになっている!

カッコつけて、、いつも履かないブーツで歩いていた自分の足が、「これだ!これだ!」と、ホッとしているのがわかりました。

それをきっかけに、色々お話ししながら、天井から渡された棒に、木で出来た型がかっているのを、珍し気に眺めていると、「これ、靴を作る時の木型よ。今はね、仕入れた靴を売ってるけどね」と話してくださいました。

他にも、「朝一番に、いいお客さんが来てくれたら、その人が福を持って来てくれるんだよ。」と、教わりました。

この朝は、思いがけず、すてきな玉手箱をもらったようなひとときでした。


誰から、どんな風に買うのか。

買い物って、心が温かくなる嬉しいことだったなぁ。

うっかり忘れていたな、、。


あのお店に掛けられていた、靴の木型に、「あんたも、しっかりやんなよ。」と、背中をポンとたたいてもらったような気がしています。

その後、雪がどんどん降ってきて、

長靴が大活躍でした。

帰りの日、空港に着くまで

ずっと一緒でした。