かぜ漢方:小青竜湯
薬剤師ライターのみきです。
今回は小青竜湯という漢方を紹介したいと思います。
小青竜湯の読み方は『ショウセイリュウトウ』。
葛根湯ほどではないですが、比較的有名な漢方薬の範囲に入る製剤なので一度は耳にしたことがある人も多いと思います。
構成している生薬
小青竜湯は8つの生薬から出来ています。
① 半夏(ハンゲ)
サトイモ科の植物でカラスビシャクという植物の球茎の皮を取り除いて乾燥したもの。
五気:温 五味:辛
② 甘草(カンソウ)
マメ科の植物でカンゾウ属植物の根茎を乾燥したもの。
五気:平 五味:甘
③ 桂枝(ケイシ)
クスノキ科の植物でケイの若い枝を乾燥させたもの。
五気⇒温 五味⇒辛
④ 五味子(ゴミシ)
マツブサ科の植物のチョウセンゴミシの完熟果実を乾燥したもの。
五気⇒温 五味⇒酸
⑤ 細辛(サイシン)
ウスバサイシンという植物の根や根茎を乾燥させたもの。
五気⇒温 五味⇒辛
⑥ 芍薬(シャクヤク)
ボタン科の植物、シャクヤクの根を乾燥させたもの。
五気⇒微寒 五味⇒苦酸
⑦ 麻黄(マオウ)
マオウ属の地上茎を使用したもの。
五気⇒温 五味⇒辛苦
⑧ 乾姜(カンキョウ)
ショウガ科の植物、ショウガの根茎を蒸して乾燥させたもの。
五気⇒温 五味⇒辛
生薬の特性を見ていると身体を温める傾向にあって、味は辛いメインで酸味ありといった感じの漢方です。
効果と合う体質は?
小青竜湯が活躍する症状は鼻水や鼻づまりが主訴(主な症状)のかぜの他に痰やくしゃみなどのアレルギー症状にも効果を発揮します。
この漢方薬が向いている人はほっそり、がっちりの間のタイプ。
いわゆる中間のタイプの人です。
中間のタイプ??? 分かりにくい・・・・ですね(;´・ω・)
少し違った視点で見ていきましょう。
漢方薬を使う東洋医学では、『腹力』の確認をします。
腹力とはズバリ!お腹の力です。
これが強いのか弱いのかでその人の証(ショウ)を判断します。
『証』とはその人の体質や体力、抵抗力、症状の現れ方を現す指標で
これとその人の訴えを併せてどの漢方薬が適しているのかを判断します。
腹力はさらに胃腸の状態の目安にも使われることがあります。
今回紹介している小青竜湯は腹力が中程度~やや軟の人に合った漢方薬なので、
イメージとしては
『ほっそりでもがっちりでもないタイプだけど、胃腸などは強くない感じ』
という感じでしょうか。
比較的、合うタイプの人が多い漢方薬ですね。
他に効果はある?
この漢方薬が病院で処方されることが多いのはかぜの場合よりも
花粉などのアレルギー症状の緩和の場合です。
薬局で患者さまの対応をしていると、
『鼻水が出て(鼻が詰まって)、咳が出て痰が絡む』などの症状で病院に来ても、
アレルギーが原因なのか単なるかぜなのか判断が難しい場合があります。
そんな時に症状の緩和に処方されることが多い漢方薬がこの小青竜湯です。
花粉症のシーズン、『かぜと思って総合感冒薬を飲んでたけどなかなか治らなくて・・・』
という方にはこの小青竜湯が効果を発揮します。
そのほかにも気管支喘息や気管支炎にも用いられることがありますが、
この漢方薬はもともと長期で飲むものではないので、症状が落ちついたら飲むのを止めます。
なので、自分が喘息だからといってこの漢方を使いたい場合は
必ず医師や薬剤師への相談をしてからにしましょう。
また、逆に効果がない場合もその時点で中止します。
これは漢方薬に限らず、どんなお薬でもそうですね。
副作用ってある?
お薬を飲む上で副作用って気になりますよね。
漢方薬は西洋薬よりも比較的副作用が軽いものが多いのですが、『全くない』わけではありません。 この小青竜湯に関しては、頻度が不明(きちんとした調査が過去にされていない)ですが、肺炎の症状や倦怠感(肝臓への影響)、発熱などが起こる場合があります。
また、高血圧の方や心臓の病気がある人は血圧が上がったり動悸を起こしたりすることがあるので注意が必要です。