小学館世界J文学館
子どもにどんどん日本語の本を読んでもらいたいと思っても、海外ではその本を手にすることがなかなか難しい場合が多いです。
日本語の本が豊富にある図書館や文庫などが身近にないと、個人で日本から取り寄せるか、一時帰国の際に運んでくるしかありません。
航空便だと送料が結構嵩んだり、届くまで日数がかかったりしますし、トランクに入れるにしても重量制限もありますから、なかなか大変です。
電子ブックができてからは、この問題がある程度解決された感がありますが、子ども向けのコンテンツはまだまだ限られていた気がします。
この小学館世界J文学館は、1冊買うことで、カード決済や認証なしで125冊の本にアクセスすることができるようになるという新しい仕組みの全集です。
買わなければならない1冊が定価5500円で、本1冊だと思うと高いですが、125冊の文学全集と考えればリーズナブルでしょう。
いつでも手持ちの端末で好きなお話が読めるうえに、文字の大きさやふりがなを3段階に調節できるなどデジタルならではの便利さもあります。
海外のIPアドレスからでもアクセスできるのかどうかは明記してありませんので、事前に確認した方が安心ですが、海外在住者には画期的な全集だと思います。
ただ、収録された作品のほとんどが新訳で、現代の子ども達が読みやすいように翻訳を新しくしたということですが、例にある「若草物語」の新訳は正直ちょっとどうかと思います。
「若草物語」は現代のお話ではないのですし、慎ましく暮らしているとは言え、この四姉妹の家庭は中流家庭の設定ですから、ここまでくだけた現代っ子ぽい会話にする必要はないように感じますし、この方が子ども達が読みやすいと考えるのはちょっと軽率ではないかなと思います。
他の作品の翻訳もどうなっているのか確認してから購入したいところですが、1冊購入で125冊を電子書籍で読めるというアイデアは面白いと思います。
贅沢を言えば、最初の1冊を購入するのが海外在住にとっては簡単ではないので、全て電子書籍として購入できればもっと便利なのにと思います。
上のサイトでかなり詳しく内容がわかりますので、参考になさってください。