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名列車の最期を拘り強い映像で写真で歴史で|鉄道 ザ・ラストラン

2018.02.19 03:05

【社会報道】 平成三十年二月十五日に東京・神保町にて、デアゴスティーニ・ジャパン(代取:村野一)は『鉄道 ザ・ラストラン』の創刊記念トークイベントを開催した。


ゲストには日本の全鉄道路線に乗車したライタの土屋武之、鉄道写真家の斉木実と米屋こうじ、元「鉄道ダイヤ情報」副編集長の杉本聖一、鉄道関連の映像制作を手掛ける小林哉、そしてセスナ等から空撮する「空鉄」の吉永陽一の五名が招かれた。


同誌の創刊は十三日。今は見る事ができない名列車・名車両の最後の走行を収めたDVDと共に、各車の歴史を優れたビジュアル写真をレイアウトして綴る。全七十五号を予定している。創刊号は日本初の豪華寝台特急「北斗星」。複数ある牽引車や食堂車、個室寝台等を押さえる。第二号ではDVD用のバインダも付録。国鉄だけでなく私鉄も取り上げている点もポイントだろう。同社は「昭和五十七年十一月改正時の国鉄の旅客、全路線を載せています。」と創刊号の付録を推した。


トークイベントは予想通り、静かに熱を発していた。今回の五名は同誌の制作に関わっている。その為、自身が携わった部分の拘りを次々と展開。集まった鉄道ファンは小刻みに頷いたり、知らない情報に対しては集中していた。写真の撮影では、暁と黄昏に言及。その微妙な色調を押さえたいが為に、ダイヤを綿密に調べ、ショットポイントを探って田んぼ等に独り立ち、幾度も挑戦を重ねた。特に暁はオートフォーカスが利かないので、反射神経と動物的な感、センスが問われた模様。当時はデデジカメが無い時代だ。


映像では写真とは異なる問題が出る。カーブ等での走ってくる車両を押さえる場合は、車両が映り込む前から録画する。その為、景観上で似つかわしくない、問題があるスポットもある。写真での好スポットが映像でも好スポットとは限らない。また映像は編集があるので、流れを考えながら撮影しなければならない。事実上、現場で考えたとの事。


誌面のレイアウトでも飽きがこないように工夫した。複線の場合は左が頭の写真が少ない。理由は電柱が車両に被る為だ。だから左頭の写真を探す事から始まる。そういった選んだ写真から本文の適した場所を選び、レイアウトした。空撮ではドローンは使わない。窓から乗り出したり、時にはドアを開けて命綱一本で空中から撮影する。他にも様々な裏情報も話され、鉄道ファンは大いに満足そうだった。

この模様は公式YTで公開予定。


撮影記事:金剛正臣