現役ドラフトとは?NPBの新制度について調べてみました
プロ野球はペナントレースも佳境に入りましたね。
我がベイスターズは8月に怒涛の18勝で借金返済で首位ヤクルトを捉えるか…
と思われましたが、そのヤクルトとの直接対決で3連敗、カープにも3連敗、
優勝が遠のいたどころか、またもや借金を抱えそうな急降下であります。
ベイスターズの勢いを一振りで止めた男、それがヤクルトの村上宗隆選手です。
大貫晋一投手から放った0-0の均衡をやぶる一発で、ハマスタにいる全員を
夢から醒めさせた瞬間は忘れません。ああハマスタで見た真夏の夜の夢よ…。
ヤンキースで活躍した松井秀喜さんに並んでいるわけですから、
村上選手も遅かれ早かれあの快音をアメリカで響かせることになるのでしょう。
でもNPB→MLBへの移籍って、海外FA権とかポスティングとか、
NPBで少しでも稼いでもらいたいという利害も加わって、制約が多いですよね。
そしてフロンティアの野茂英雄さんを始め、後味の悪い移籍も多いです。
「そもそも野球選手の人事って素人にはわかりにくい」
これはスポーツ媒体で働いていることから思っていました。
そんな中飛び込んできた“NPBが現役ドラフト開催で大筋合意”というニュース。
今年のシーズンオフには開催されるということで、間違いないようです。
そこで、改めて現役ドラフトについて調べてみました。
MLBのルール5ドラフトが元になっている
まず“現役”ドラフトというからには、現役のプロ野球選手から選ぶドラフトだとわかります。
日本プロ野球機構(NPB)が通常行っているのは“新人”ドラフトで、
指名の対象となるのはNPBでのプレー経験がない選手ですよね。
(ちなみに海外リーグの場合はNPB経験じゃないから新人として認められる)
これに対して、MLBは2種類のドラフトを開催しています。
①ファーストイヤー
指名対象はアマチュア選手。
②ルール5ドラフト
指名対象はマイナーリーグの選手。MLB登録40名に空きがあるチームのみ参加可能。
①がNPBの“新人ドラフト”に、②が今回の“現役ドラフト”に該当するわけですが、
現役ドラフトの指名対象は2軍選手に限られているわけではないようなので、
細かいところだけでなく、大筋もけっこう違います。
アジアの主なリーグの現状は?
NPB現役ドラフトについて現時点で決まっているのは、これだけです。
- 球団が指名対象となる2人以上の選手リストを提出する
- その中から最低1人以上を獲得、1人以上が他球団へ移籍する
- 実施時期はシーズンオフの12月
ちなみに野球の盛んな韓国KBOや台湾CPBLではどうかというと、
韓国でも現役選手を対象とした②に該当するドラフトが開催されています。
台湾は①のみですが、台湾の場合はアマチュアの有望選手が国内リーグより先に
MLBやNPB、KBOに挑戦するケースが少なくないので、
海外リーグで結果を出せなかった現役選手が上位指名されることが多々あります。
韓国と台湾はシーズン途中の6月や7月にドラフトを開催するので、
結果によって後半戦の順位が大きく変動するのも、特徴的です。
現役ドラフトのメリットとデメリットは
現時点で考えられるメリットは
- 出場機会に恵まれない選手にとってはチャンスにつながる
- 球団は未知数の新人ドラフト、交換の痛みがともなうトレード以外の方法で効果的に補強できる
といったところでしょうか。
「MLBは指名選手をマイナーに限っているけれど、NPBは2軍選手だけではないの?」
「入団年数や年齢など制限は設けるの?」「リストに選手の意向は反映されるの?」
などなど、ちょっと考えただけでも細かく詰めなきゃいけないことがが山ほどあって、
最初は揉めそうな気もしなくはないですが…。
うまく機能すれば選手も球団もWin-Winのいい制度だと思うので、
我々ファンも正しくルールを把握して、イベントとして盛り立てていきたいですね。