わたしの化身
2018.02.18 04:25
『ルーム』という映画をみていたら、涙がでてきた。
ふとベッドの方を見ると、あびくんがすやすや眠っている。
私は急にあびくんに近づいて、どーんとベッドに腰をおろした。
あびくんはビックリして、顔を上げた。
その顔が、目が、縦に寄っていて、しわになって、ものすごく変な顔だった。
そんな変な顔のまま、あびくんはビックリしていた。
私はベッドに横になり、あびくんを胸の上にのせた。
さっき流した涙がまたでてきた。
あびくんは私の胸の上で、落ちそうになる足を持ち上げた。
私の胸の上で、あびくんは首を動かしている。
体はそのままで、首を右にやり前にやり、左にやり前にやり、また右にやって前を向く。
そんなことを繰り返している。
私はあびくんを見ながら急に、「あびくんといっしょに死にたい」そう思った。
つい、声に出していた。
あびくんは相変わらず首を動かし続けている。
いつもならすぐに降りてしまうのだけど、今日はずっと私の胸の上にいてくれる。
あびくんにはそういうところがある。
私が泣いている時、落ち込んでいる時、なぜかじっとそばにいてくれる。
何か感じるのだろうか。
にゃーともいわず、ただそばにいてくれる。
そんなあびくんを、改めて好きだなと思う。
少し気持ちが落ち着いてきたので、泣くのをやめてじっとしていた。
すると、あびくんは私の上から降りた。
やっぱりそうなんだよね。
そして今、こうしてブログを書いている。
コーヒーを淹れて飲んでいる。
あびくんの声が聞こえる。
にゃーにゃーと言いながら、寝るポジションを探している。
そして、丸くなって眠りに入った。
あびくんは、私の化身なのだろうか。
22年もいっしょに暮らしているからなのだろうか。
映画『ルーム』の内容とかぶる気がした。
とても不思議な感覚だった。