進化する伝統工芸<土直漆器>の魅力
今回は、人気シリーズ『Urushi Tumbler』で、お馴染みの『土直漆器』 代表 土田直東さんの
インタビューをご紹介いたします。
あらためて、thermo mug(サーモマグ)とのコラボレーションについてや、土直漆器のこと、
これからの展望などをお伺いしました。
Q1.土直漆器とは何ですか?
福井県鯖江市河和田を中心とする越前漆器は、その地域全体で分業体制が確立しており、素地作りや塗り、
加飾など様々な工程を高度に専門化することで美しく堅牢な作品を生産しています。
土直漆器では、それぞれ専門の職人を抱え、素地作り以外の全工程(下地、中塗、上塗、蒔絵)を同じ工場内で
細かい意思疎通を図りながら作業を進めます。
スタッフは現在15名で、そのうち製作スタッフ(漆器職人)は12名です。
伝統的「技」を伝承する一級技能士が1名と伝統工芸士が1名在籍しており、また若いスタッフが多いのも特徴で、
女性スタッフは5名製作にかかわっています。
ベテランスタッフの伝統技術と若手スタッフの新しい発想、デザイン力をうまく融合し現代のニーズに応えた
モノ作りを行っています。
厳しい練磨を重ねてきた職人の技と伝統を重んじつつ、自由な発想で常に新しいことに取り組んでいます。
Q2.なぜthermomugをパートナーとして選ばれましたか。
2000年からブランドを構築しており信頼がもてたこと、またプロダクト自体も洗練され、
自分が使いたいと思ったからです。
Q3.漆コラボについて教えてください。
海外に漆の商品を売りたいと考えたときに、なかなかお椀とかお箸は難しいと感じておりました。
そこで慶応大学メディアデザイン研究所と相談し、コーヒー文化は世界にたくさんあると思い、
タンブラーに漆を塗ってみたらどうだろうということでサーモマグさんに問い合わせしたのが始まりです。
また持ち歩くことができるということに関しても漆器を広めるうえでとても重要だと感じました。
実際に漆を塗り、日本の伝統文様を入れて展示会などに出品してみたところ とても反響が大きく、
問い合わせがたくさんありました。普段、漆器を並べていないショップなどにも置いてくれるお客さまもいて
当社としても幅はとても広がりました。
国内では、海外のお客さまが購入されたり、海外へお土産として持っていく方がいらっしゃると報告を受けており、
とても嬉しく思います。また現在は、台湾や中国で販売されております。
Q4.サーモマグに期待することはありますか?
これからもスタイリッシュな商品を作って欲しいなと思います。
当社もお手伝いできることがあればぜひ積極的にさせていただきたいと思います。
Q5.土直漆器の今後の展望を教えてください。
このタンブラーやアンブレラボトルもそうなんですが、「漆を持ち歩く」というコンセプトの商品を
もっと広げていきたいと思います。
漆の質感を感じてもらい、興味をもっていただけたら器にも目を向けてほしいなと思っています。
近年、日本国内では、技術を持つ職人さんたちの高齢化や、技術の伝承の難しさなど、
日本の伝統工芸品が抱える課題を耳にすることが増えました。
そんな中、代表の土田さんにお話をお伺いして分かったことは、伝統工芸品も常に新しいチャレンジを
続けているということでした。
特に、ベテランの方と若い方が一緒になって切磋琢磨し、現代のニーズに応えたモノ作りをしようと努力されている姿勢は、
今回のサーモマグとのコラボレーションアイテムにも存分に反映されているように感じます。
年々、ライフスタイルが多様化し、様々な文化が海外からも簡単に入ってくるようになりました。そんな時代だからこそ、
改めて海外からの注目度が高い日本の伝統技術。
土直漆器はオープンマインドであるからこそ、「変化」ではなく「進化」を続け、今までに越前漆器に馴染みがなかった人たちに対しても、
新たな価値を届け続けています。
そんな姿勢が、結果的に新しい時代へ伝統を繋いでいくことになり、また技術や職人さんの想いを世界中に
発信していくことになるのではないでしょうか。
サーモマグと土直漆器が出会ったことで、越前漆器の魅力や土直漆器に関わる多くの職人さんたちの想いを、
少しでも届けることが出来れば嬉しいですね。
株式会社 土直漆器
本社 : 福井県鯖江市片山町6-1-2
工場 : 福井県鯖江市西袋町214
Tel:0778-65-0509
URL : http://www.tsuchinao.com/
<thermo mug 日本橋(サーモマグ 日本橋)>
住所:〒103-6104
東京都中央区日本橋2-5-1
日本橋髙島屋S.C. 新館 4階
電話番号:03-6265-1101
営業時間:10:30~20:00