[冊子デザイン・表紙絵 ・執筆]『FUEKI vol.77』
『FUEKI vol.77』(福武教育文化振興財団の機関紙機関紙)
エディトリアルデザイン・表紙絵・本文イラストを担当いたしました。
表紙絵は岡山の県北にある百々地区で、昭和8年(1933)年頃から作られるようになった土人形、「百々人形」の制作当初の代表作「獅子頭」です。岡山に住んでいながら初めて知る地名と民芸品でした。山間にひっそりと建っている美咲町北和気郷土資料館のガラスケースには、ぎっしりと「百々人形」が展示されています。取材に訪れたのは初冬だったでしょうか。古い木造建築の室内には大きな石油ストーブがついていて、まるでおばあちゃんの家を訪ねたような懐かしい温かさがあってほっこり。
館長の福井正さんから、初代が作ったと思われる石膏型なども見せていただきました。職人の工房で火事があったため(記憶違いだったらすみません)、型はほとんど現存していないそうですが、ある時工房跡を掘ったところ、いくつか見つけることができたとか。保存会の方の思いの深さを感じるエピソードです。
展示ケースの中には、大きさが小指の先ほどの豆人形も。初代作のものは作りが非常に精巧で、小さいながら表情は生き生きとし、今にも動き出しそうなほど。滞在時に撮った写真もいつかご紹介できればと思います。
「獅子頭」を題材に選んだのは財団のWさん。いつものことながら、興味深いものを選ばれます。資料館には「獅子頭」がいくつかあって、目が見えているものもありましたが、隠れている方に圧倒的に引きつけられました。何か魔力のような力を感じます。コロナ退散の願いも込めて、目が隠れている紅白の「獅子頭」を描き、背景は鮮やかな黄色にしてインパクトのある力強いデザインにしました。
本文ページは変わらず岡山の教育文化に携わる様々な人たちが紹介されています。改めて、資料的な価値もある貴重な冊子だと感じます。
財団のウェブサイト(https://www.fukutake.or.jp/andf/fueki/)でお読みいただけます。
編集発行 :
公益財団法人福武教育文化振興財団 https://www.fukutake.or.jp
and F https://www.fukutake.or.jp/andf/
制作 : 株式会社吉備人 https://www.kibito.co.jp
印刷 : 研精堂印刷株式会社 https://www.kenseido.co.jp
エディトリアルデザイン・イラストレーション・ライティング(裏表紙):
タケシマ レイコ
百々人形ウェブサイト https://www.dodoningyou.club
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