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鴎座 2022年 公演

ことば

2022.09.01 12:38

半世紀にわたる舞踊家生活を振り返りながら、さらなる未来への思いを込めて竹屋啓子が紡ぐ、いま、この時の<物語る>ダンス。

1.はじまりの時

ニューヨーク 1975~76

すべてはどのように始まるのだろう。はじまりというものなどは無いように、私には思える。そう、ただ、つづいているのだ。(マーサ・グレアム)

2.足もとの模様

ヘレン・ケラーに請われて、マーサは彼女に「ジャンプすること」を教えた。第一ポジションで宙をとぶマース・カニングハムの腰に手をあてた彼女は、やがて歓喜の表情を浮かべて言った。「考えることとおなじだわ。こころの動きとそっくりよ」

3.それぞれの場所

ただ野生の花は美しい、という理由だけで、道ばたの草木を守れ、と言っているのではない。秩序ある自然界では、草木はそれぞれ大切な、かけがえのない役目を果たしている。(レイチェル・カーソン)

4.物語

わたしのダンスは象徴的なものだと思う、と少女に言われた。その通り、と私は答えた。「あなたがオレンジジュースを飲むとき、あなたはオレンジの象徴を飲んでいるのです。わたしにとって、象徴化とはそんなことです。全体をあらわす何か」(マーサ・グレアム)

5.小さな祝祭

   美は前に

   美は右側に

   美は左側に

   美の中を歩く

   我こそは美なり

   (ナヴァホ族の唄/ナヴァホ族はアメリカ南西部の先住民族)

6.石の呼吸

どの技法にも流れというものがある。収縮では引いて、引っ張ること。内にこもってはいけない。収縮はとはポジションではない。何かに飛び込む動きである。水の中に投げ込まれる小石のようなものだ。(マーサ・グレアム)

7.はじまりの時 ふたたび

Sens of Wonder/神秘さや不思議さに目を見張る感性(レイチェル・カーソン)