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オムツと涙とハーバード

ペイジちゃんが日本にやってきた。

2018.02.18 13:48

「2月13日の週に日本に行くんだけど、東京にいる?」


ペイジは、旦那のハーバード・ビジネススクール(HBS)の同級生の一人で

(同級生は900人いるので、旦那は面識がないらしいのだが。)

昨年末に「就職活動で日本経済の状況について調べているので話がしたい」と

同じくHBS卒の日本駐在中のアメリカ人の友人経由で連絡があり、

Skypeでアベノミクスのあれこれについて会話した子だ。

金髪で目がくりっとして、金融機関を渡り歩いている、

いわゆる前のめり系パワー女子である。


協力したリサーチの甲斐あってか(?)、

知らぬ人はいない某billionaireの財団の運用部隊に採用され、

日本をカバーしているので、日本に1週間出張で滞在することになったようだ。


子供と一緒になるかもしれないけど・・・と前置きした上で

鮨、ラーメン、居酒屋、お好み焼き、日本食以外、、何がいい?と聞いたところ


鮨、若しくは、お好み焼きとの回答あり、

築地の近くでよく夫婦でお世話になっているお鮨屋さんを予約した。

(結局、大阪にその後行くことになっていたらしいので、鮨で正解だったらしい。)


***


結局、娘ちゃんは実家に預けることになったので、

二人でカウンターでしっぽり鮨を頂くことに・・・


・・・は、ならなかった。


「で、Kuroda(日銀総裁)は再任されたの、されるの?どういうプロセスなの?!」


前のめりなアメリカ女子に「しっぽり」のコンセプトは通じなかったらしく、

座った瞬間から豪速球早口の容赦ない質問が飛ぶ。


一応、なんちゃって帰国子女(?)なので

TOEFL等の正統派リスニングであれば満点は取れるものの、

英語生活から1年も離れると、

アメリカ人がアメリカ人に話しかけるノリとペースで話しかけられると、

正直、全神経を集中させて7割くらいの内容を必死で拾う感じになる。


その合間に大将に

「はい、ホウボウ」

「はい、ヒラマサ」

「はい、サワラ」


とか言われて、

いやいや、今日に限ってめっちゃ訳すの難しいネタじゃん!

と思わず突っ込む。


更に、彼女に

「私Sushi大好きなのー。

HBSの食堂にもSushiカウンターがあったよね!(※確かメキシコ人が握っている)

TunaとかSalmonとか好き!」と言われ、


あー、やっぱ「鮨」じゃなくて「Sushi」の方でしたかー。

サーモンがなくてすいません・・・

と、思いつつ、江戸前寿司の魅力を一所懸命説明したり。


そんなこんなで、

折角、娘ちゃんから離れて美味しいお鮨が頂ける貴重な機会だったが、

肝心のお味は全く頭に入ってこなかった。。無念。


***


彼女との会話で印象に残るコメント・質問、  


・ 日本では企業・経営者・従業員が「儲けることがインセンティブではない」と言われた。お金じゃないなら、どうやって生産性やパフォーマンスを上げるのか。


・ 良い学校に入って、一括新卒採用で良い会社に入り、終身雇用で守られる、というトラックと、非正規雇用が40%という矛盾が「中」と「外」を作り出している。彼女は「自分の職が安定している」と今まで思ったことがないので終身雇用は不思議な感覚だ。


・ 日本の債務は実際に問題なのか?Offsetして考えれば良いのではないのか?


・ (日本の観光の課題としてよく言われていることだが)日本のお店は閉まるのが早い。「猫カフェ」行ってみたかったが、夜はやってない。ナイトライフ、というと外国人が集まる六本木くらいしかない。


・ 「日本のロボット・オートメーションは進んでいる」と言われているのに、決済は基本現金。(日本のロボット・オートメーションはサービスというより、工場等の「Kaizen」に寄り気味。)


・ 東京にいるだけだと、「大都市」であまり外国感がない。中東の大都市でも思う。

例えば、トルコやパキスタンなどは文化や熱気、エキゾチックな街など印象的だった。


なかなかパンチを打ち返すのが難しい。


***


鮨の後、彼女は「この後仕事に戻るので少ししか時間がないけど、

「原宿」か「秋葉原」が見たい!」とリクエスト。


原宿の面白さは昼間(若い子で溢れる竹下通りとか)でないと伝わらない気がしたので、

二人でサクッと秋葉原へ。


秋葉原に行ったからといって、

この街に年に1度も来ない私が何を説明できるわけでもないのだが、

「電気屋」「メイドカフェ」「壁にアニメの絵」などひとしきり回って見ることに。


すると彼女が

「日本には変なもの(Weird things, Crazy things)があると聞いているので、

変なもの見たい!探したい!」 と連発。


「いや、日本人の私にとってはここにあるものは普通だから

変なものって言われても難しいよー」 とか言いつつ、

一緒に街で「変なもの」探しをした。


 この日私達が秋葉原駅周辺300mくらい以内で見つけられた「変なもの」は


・ 個室DVD(説明が難しい)

・ 「缶's BAR」(缶詰で立ち飲みするBar。なんで缶詰なの!?と聞かれても難しいw)

・ 車がいないのに信号を守る日本人(アメリカではJaywalkと言って気にせず渡る)

・ イタ車

だった。


とりあえず二人で爆笑しながら歩いていたので、

きっと変な奴らだと思われたことだろう。


***


タクシーで颯爽と帰って行く彼女を見送りつつ、

なんだか、彼女のパワーにも圧倒されたし、

自分の考えをうまく説明するのが大変だったなー・・・と

どっと疲れる。


毎日赤ちゃんとばっかり喋っている(一方的に話しかけているだけだ)と、

英語どころか、日本語だったとしても

自分の考えを纏めてわかりやすく伝えるトレーニングが足りなすぎる。。


アメリカ行く前に、リハビリしないといけないな、、と思ったのでした。